モバイルバッテリーが「燃えにくく」なった?CIOの半固体系電池「SMARTCOBY SS」が示す充電の未来

3行でわかるこの記事

  • 何が起きた? 日本のガジェットメーカーCIOが、半固体系電池を採用したモバイルバッテリー「SMARTCOBY SS」シリーズ3機種を2026年3月27日に発売しました
  • 重要なポイント 従来のリチウムイオン電池より電解液が少なく、発火リスクを大幅に減らした「半固体系電池」が、モバイルバッテリーで実用化された初めての事例の一つです
  • なぜ注目? EVで話題の「全固体電池」の一歩手前の技術が、身近なガジェットで先に実現したからです

はじめに

「モバイルバッテリーなんて、もう進化しないでしょ?」

そう思っていませんか?実はいま、バッテリーの「安全性」という最も基本的な部分で、大きな技術革新が起きています。

2026年3月27日、日本のガジェットメーカーCIOが、これまでの常識を覆す新しいモバイルバッテリーを発売しました。使っている電池の種類が違います。「半固体系電池」という新しいタイプの電池を採用しているのです。

この記事では、こんなことを解説していきます。

  • 半固体系電池って何が違うの?
  • 従来のバッテリーの何が問題だったのか?
  • 私たちが選ぶモバイルバッテリーはどう変わるのか?

できるだけかみ砕いてお伝えしますね。

ひとことで言うと

CIOが発売した「SMARTCOBY SS」シリーズは、電解液を減らして発火リスクを大幅に抑えた「半固体系電池」を採用した、消費者向け製品としてはかなり先進的なモバイルバッテリーです。ここからは、その技術的な特徴と製品ラインナップを詳しく見ていきましょう。

知っておきたい「半固体系電池」の基本

まず、私たちが普段使っているスマートフォンやモバイルバッテリーに入っている電池は、ほとんどが「リチウムイオン電池」です。この電池の中には「電解液」という液体が入っていて、この液体がプラス極とマイナス極の間でイオン(電気を運ぶ粒子)を運ぶことで、充電や放電ができる仕組みです。

問題は、この電解液が可燃性であること。強い衝撃を受けたり、製造上の不具合があったりすると、電解液が漏れて発火や破裂の原因になることがあります。ニュースで「モバイルバッテリーが発火」という報道を見たことがある方もいるかもしれません。

半固体系電池は、この電解液の量を大幅に減らし、代わりに「固体」に近い素材を使っています。液体が少ないため、万が一の事故が起きても発火しにくいのが最大のメリットです。

わかりやすくたとえると、灯油ストーブの灯油(液体の電解液)をゲル状の安全燃料に置き換えたようなイメージです。燃え方がまったく違います。

CIO「SMARTCOBY SS」シリーズの5つの注目ポイント

今回発売された3機種(+予約開始1機種)の特徴を整理してみましょう。

1. SMARTCOBY Pro SLIM SS(10,000mAh)

約16mmの薄さに10,000mAhの容量を詰め込んだスリムモデルです。USB-Cポート2つとUSB-Aポート1つを搭載し、最大35W出力に対応。価格は6,280円(税込)。ポケットやカバンにすっきり入るサイズ感で、日常使いに向いています。

2. SMARTCOBY TRIO 35W SS(20,000mAh)

大容量20,000mAhモデルの35W版です。価格は9,280円(税込)。スマートフォンを約4回フル充電できる容量があり、旅行や出張など長時間の外出時に安心できます。

3. SMARTCOBY TRIO 67W SS(20,000mAh)

同じ20,000mAhでも最大67Wの高出力に対応。価格は10,980円(税込)。ノートパソコンへの給電も可能なパワフルモデルで、最大3台の同時充電ができます。CIO独自の「NovaIntelligence」技術により、接続されたデバイスに応じて自動で最適な電力配分を行います。

4. SMARTCOBY Ex04 Wireless2.2 CABLE SS5K(予約販売中)

さらに、Qi2.2ワイヤレス充電と脱着式USB-Cケーブルを搭載した5,000mAhモデルが3月27日から予約販売を開始し、3月31日から一般販売されます。

5. CIO独自の安全基準「NovaCore C2」「NovaSafety S2」

CIOは半固体系電池の品質に「NovaCore C2」という独自基準を設け、安全制御技術として「NovaSafety S2」を導入しています。電池の品質とソフトウェア制御の両面から安全性を担保する取り組みです。

「全固体電池」への架け橋になるのか?

いま、バッテリー業界では「全固体電池」が大きな話題です。トヨタやサムスンなどの大手企業が開発に注力しており、EVの航続距離を飛躍的に伸ばす技術として期待されています。

全固体電池は、電解液を完全にゼロにして固体の電解質だけで動く電池です。理論上、半固体系電池よりもさらに安全で、エネルギー密度も高くなります。ただし、電解液がないぶん、イオンの移動がスムーズにいかないなどの技術的課題があり、量産化には時間がかかっています。

半固体系電池は、「液体」と「固体」の中間にある技術です。全固体電池ほどの性能は出ませんが、現在の製造技術でも量産できるため、こうして先にモバイルバッテリーとして市場に出てきました。全固体電池時代への「架け橋」として注目されている技術なのです。

用語ミニ解説

  • 半固体系電池: 電解液の量を減らし、固体に近い素材を使ったバッテリー。従来のリチウムイオン電池より発火リスクが低い、全固体電池への中間技術です
  • リチウムイオン電池: 現在ほとんどのスマホやバッテリーに使われている充電式電池。軽くてエネルギー密度が高いですが、電解液が可燃性という弱点があります
  • 全固体電池: 電解液をすべて固体の電解質に置き換えた次世代バッテリー。安全性とエネルギー密度が飛躍的に向上しますが、量産化はこれからの技術です
  • Qi2.2: ワイヤレス充電の最新規格。磁石でスマホとバッテリーをぴったりくっつけて、効率よく充電できる仕組みです

Me-Moon編集後記 🌙

モバイルバッテリーは、スマホと同じくらい私たちの日常に溶け込んだガジェットです。だからこそ、その中に入っている電池の技術が進歩したことは、地味に見えて実はかなり大きなニュースだと感じます。

「充電が速い」「容量が大きい」という進化はこれまでもありました。でも、「そもそも燃えにくい」という進化は、バッテリーの安全性に対する考え方そのものを変えてくれるかもしれません。飛行機の持ち込み制限が緩和されたり、子どもに持たせても安心、という日が来る可能性も考えられます。

次にモバイルバッテリーを買い替えるとき、「この電池は何でできているんだろう?」と確認してみるのも面白いのではないでしょうか🌙

参考リンク

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監修者

小宮 滉

コインチェック株式会社を経て、現在はGUILD株式会社および一般社団法人Web3人材マネジメント協会の代表理事を務める。

Web3・仮想通貨分野では、「NGG(NinjaGuild_Japan)」というコミュニティの運営や、「IVS Crypto THE DEMODAY」MetaMeトラックでの優勝など、多くの実績を有する。

また、AI・ブロックチェーン開発を強みとしたDXサービスを提供し、企業の成長を支援します。AI・ブロックチェーン技術との統合を通じて、DX体験をシームレスに実現し、ユーザーと企業の双方に新たな価値を創出することを目指して、開発支援やマーケティングを行っております。

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