ドラクエやFFの会社がブロックチェーンの「審判役」に?スクウェア・エニックスがTezosバリデーターに参加

3行でわかるこの記事

  • 何が起きた? ファイナルファンタジーやドラゴンクエストで知られるスクウェア・エニックスが、ブロックチェーン「テゾス(Tezos)」のバリデーター(ベーカーノード)として運営を開始しました(2026年3月12日)
  • 重要なポイント ゲームを「作る」だけでなく、ブロックチェーンの取引を検証する「審判役」にゲーム会社が直接参加するという、異例の取り組みです
  • なぜ注目? ゲーム×ブロックチェーンの融合が加速する中、日本を代表するゲーム会社がネットワークの中核に入ることで、Web3ゲーミングの信頼性が大きく高まるからです

はじめに

「ブロックチェーンとゲームって、何の関係があるの?」

そう思う方も多いかもしれません。ブロックチェーンと聞くと、ビットコインや投資のイメージが先に来ますよね。

でも実は今、世界のゲーム会社がブロックチェーン技術に次々と参入しています。そして2026年3月12日、あのスクウェア・エニックスが新たな一歩を踏み出しました。ゲームを作る側から、ブロックチェーンの「審判」を務める側への転身です。

この記事では、次の3つの疑問を解説していきます。

  • スクウェア・エニックスが参加した「テゾス」って何?
  • 「バリデーター(ベーカー)」ってどんな役割?
  • ゲーム業界×ブロックチェーンは今後どうなる?

ひとことで言うと

スクウェア・エニックスが、省エネ型ブロックチェーン「Tezos」の取引を検証する「ベーカーノード」の運営を始めました。ゲーム会社がブロックチェーンの中核インフラに直接関与する、注目の動きです。

そもそも「テゾス(Tezos)」ってどんなブロックチェーン?

テゾス(Tezos)は、2018年にメインネットが立ち上がったレイヤー1ブロックチェーンです。

「レイヤー1」とは、ビットコインやイーサリアムと同じく、ブロックチェーンの土台そのものとして機能するネットワークのこと。その上にさまざまなアプリやサービスが構築されます。

テゾスが注目される3つの理由を整理しましょう。

特徴① エネルギー効率がとても高い。 テゾスはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)方式を採用しており、ビットコインのようなプルーフ・オブ・ワーク(PoW)方式に比べて消費電力が圧倒的に少なくて済みます。たとえるなら、石炭火力発電ではなく太陽光発電で動くブロックチェーンのようなものです。

特徴② アップグレードが”自動”でできる。 多くのブロックチェーンでは、ルールを変更する際にコミュニティが分裂する「ハードフォーク」が発生することがあります。テゾスは、投票によってネットワーク全体をスムーズにアップグレードできる独自の仕組みを持っています。

特徴③ ゲームやNFTとの相性が良い。 処理手数料が安く、高速処理が可能なため、ゲーム内アイテムやNFTの取引に適しています。

「ベーカーノード」って何をする人?——ブロックチェーンの「審判役」

テゾスでは、取引を検証して新しいブロックを作成する役割を担う存在を「ベーカー(Baker)」と呼びます。パンを焼くベーカリーと同じ「ベーカー」ですが、ここではブロックを「焼く(生成する)」人という意味です。

ベーカーの仕事を、サッカーの試合にたとえてみましょう。

  • 選手 = ブロックチェーン上で取引する人たち
  • 審判(ベーカー) = 取引が正しいかをチェックし、ブロックに記録する人
  • 試合記録 = ブロックチェーンに刻まれる取引履歴

つまりベーカーは、ブロックチェーンの公正さと安全性を支える「審判役」なのです。スクウェア・エニックスがこの審判役になったということは、同社がテゾスのネットワークの信頼性を直接支える立場になったことを意味します。

スクウェア・エニックスの投資・事業開発担当の上原秀明氏は、「テゾス上でベーカーノードを運用することで、ブロックチェーン技術に直接参加し、より深く理解しながらネットワークの運用に貢献できる」とコメントしています。

ゲーム会社がブロックチェーンの「中」に入る理由

「ゲームを作るだけじゃダメなの?なぜわざわざバリデーターになるの?」

たしかに、ゲーム会社がブロックチェーンの中核インフラに参加するのは珍しい動きです。でも実は、スクウェア・エニックスは以前からブロックチェーン分野への積極的な投資を続けてきました。

  • 日本発のゲーム特化ブロックチェーン「Oasys」の初期バリデーターに参画
  • メタバースプラットフォーム「The Sandbox」への投資
  • ブロックチェーンゲームプラットフォーム「HyperPlay」「Soccerverse」への出資

今回のテゾスへの参加は、ゲームを「作る」だけでなく、ゲームが動く基盤そのものの運営に関わるという、より深い関与を示しています。

たとえるなら、映画会社が映画を作るだけでなく、映画館の運営にも参加するようなものです。コンテンツとインフラの両方を押さえることで、Web3ゲーミング時代に向けた布石を打っているのかもしれません。

先日ご紹介した日本銀行のブロックチェーン決済実験Ethereum Japanのデジタルアセッツ・ワーキング・グループ設立と合わせて見ると、2026年の日本はブロックチェーン分野で非常にアクティブな年になりそうです。

用語ミニ解説

  • バリデーター(Validator): ブロックチェーン上の取引データが正しいかを検証し、新しいブロックに記録する役割を担う存在。テゾスでは「ベーカー」と呼ばれる(「ブロックチェーンの審判」のイメージ)
  • レイヤー1: ブロックチェーンのネットワーク基盤そのもの。ビットコインやイーサリアム、テゾスがこれにあたる。レイヤー2はその上に構築される高速化技術(「建物の1階が土台(レイヤー1)、2階以上が追加機能(レイヤー2)」のイメージ)
  • Web3ゲーミング: ブロックチェーン技術を活用したゲームの総称。ゲームで手に入れたアイテムやキャラクターが暗号資産として実際の価値を持つことが特徴(「稼げるゲーム」のイメージだが、投資リスクもある)
  • プルーフ・オブ・ステーク(PoS): ブロックチェーンの合意形成方式の一つ。暗号資産を「預ける(ステーキング)」ことでネットワークの維持に参加できる。大量の電力を使う「マイニング」が不要な省エネ方式(「株主投票」のようなイメージ)
  • ハードフォーク: ブロックチェーンのルールを変更する際に、旧ルールと新ルールでネットワークが分裂すること。ビットコインからビットコインキャッシュが誕生したのもハードフォークの一例
📎 あわせて読みたい

Me-Moon編集後記 🌙

ドラゴンクエストやファイナルファンタジーを作っている会社が、ブロックチェーンの「審判役」をやっている——文字にすると不思議な光景ですよね。

でも考えてみると、ゲームって「ルールの中で遊ぶ」ことが本質です。そのゲームを作り続けている会社が、ブロックチェーンという新しい「ルールの世界」に惹かれるのは、ある意味自然なことなのかもしれません。

いつかファイナルファンタジーのアイテムがブロックチェーン上で取引される日が来たら——あなたなら、どんなアイテムを手に入れたいですか?🌙

参考リンク

この掲載情報は各取得情報によって提供されています。

※内容の真偽や広告内容についてはご自身でご判断ください。

監修者

小宮 滉

コインチェック株式会社を経て、現在はGUILD株式会社および一般社団法人Web3人材マネジメント協会の代表理事を務める。

Web3・仮想通貨分野では、「NGG(NinjaGuild_Japan)」というコミュニティの運営や、「IVS Crypto THE DEMODAY」MetaMeトラックでの優勝など、多くの実績を有する。

また、AI・ブロックチェーン開発を強みとしたDXサービスを提供し、企業の成長を支援します。AI・ブロックチェーン技術との統合を通じて、DX体験をシームレスに実現し、ユーザーと企業の双方に新たな価値を創出することを目指して、開発支援やマーケティングを行っております。

X (Twitter) →

一緒に記事を書いてみませんか?✍️

ライター登録はこちら →