3行でわかるこの記事
- 何が起きた? ソニーのwenaプロジェクトを独立継承したaugment AIが、世界最小のスマートウォッチ「wena X」を2026年3月17日に発表しました。3月20日からクラウドファンディングが開始されます
- 重要なポイント 1.53インチ曲面AMOLEDディスプレイ搭載で前モデルの約1.7倍の表示面積を実現しながら、本体サイズは8.5%小型化。しかも腕時計バンドとスマートバンドの2WAYで使えます
- なぜ注目? ソニーという大企業から”卒業”して独立したチームが、ブランドと技術を引き継ぎながら新たな挑戦を始めたテックドラマでもあるからです
はじめに
朝、目覚まし時計代わりに腕を見る。通知を確認して、昨夜の睡眠スコアをチェックして、そのまま家を出る。
そんなスマートウォッチのある暮らし——でも、「ゴツいデバイスを腕に巻くのは嫌」「お気に入りの腕時計が使えなくなるのは困る」という人も少なくありません。
この記事では、こんなことを解説していきます。
- wena Xって、普通のスマートウォッチと何が違うの?
- ソニーからの”独立劇”の裏側
- AI睡眠分析やChatGPT連携で何ができるの?
「スマートウォッチに興味はあるけど、まだ買えていない」という方に、ぜひ読んでほしい内容です。
ひとことで言うと
お気に入りの腕時計をそのまま使いながら、バンド部分だけでスマートウォッチの機能を全部使える——wena Xはそんな「いいとこ取り」のウェアラブルデバイスです。
ソニー発、独立継承——「wena」10年のドラマ
wenaは、2015年にソニーの社内プロジェクトとして誕生しました。「腕時計のバンド部分にスマートウォッチ機能を搭載する」という、当時としては斬新なコンセプトが話題を呼びました。
しかし2026年2月28日、ソニーのwenaサービスは終了。多くのファンが肩を落としました。
ところが同日、wenaの生みの親である對馬哲平氏率いるチームが設立したaugment AIが、ソニーからwenaの商標と特許を正式に引き継いだことが明らかになりました。しかもソニーグループ自身がaugment AIに出資しています。
大企業が「もう手が回らない」とリリースした技術を、生み出した本人がスタートアップとして引き取る——まるでテックドラマのような展開です。
wena Xの5つの進化ポイント
前モデル「wena 3」からどう変わったのか、ポイントをまとめました。
1. 世界最小なのに画面は1.7倍
1.53インチの曲面AMOLEDディスプレイを搭載し、表示面積はwena 3の約1.7倍に拡大。それでいて本体の全長は8.5%短縮されました。1.0インチ以上のフルカラーディスプレイ搭載スマートウォッチとしては世界最小です。
スマホの画面が大きくなっているのに本体は薄くなっている——あの進化と同じ方向です。
2. 腕時計×スマートバンドの2WAY構造
ワンタッチで着脱できる機構により、お気に入りの腕時計のバンドとして使ったり、単体のスマートバンドとして使ったりの切り替えが簡単にできます。
ビジネスシーンでは腕時計バンドとして、ジムではスマートバンドとして——1台で2つの顔を持てるわけです。
3. 約1週間もつバッテリー
独自の軽量OS「wena OS」(RTOS=リアルタイムOSベース)を採用し、省電力設計を実現。フル機能使用で約1週間のバッテリーライフを目指しています。
毎晩充電するApple Watchに比べると、充電の手間がグッと減ります。
4. AI睡眠分析でプロ級の睡眠コーチ
東京大学発のスリープテックスタートアップ・ACCELStarsと共同開発したAI睡眠分析機能を搭載。寝ている間のデータをAIが分析し、睡眠の質をスコア化してくれます。
130種類以上のエクササイズ対応やVO2 Max(最大酸素摂取量)の計測もでき、健康管理デバイスとしての実力は本格派です。
5. ChatGPT連携——腕で質問、腕で回答
wena XにはChatGPTが統合されており、腕元から直接AIに質問できます。「今日の天気は?」「この英文を翻訳して」といった日常的な使い方が、スマホを取り出さずに可能に。
将来的にはNFC決済やジェスチャー操作にも対応予定で、さらに便利になりそうです。
価格とスケジュール——クラウドファンディングで先行販売
wena Xは3月20日からGREEN FUNDINGでクラウドファンディングを開始します。
- 早期割引価格: 46,800円〜(ループラバーバンドモデル)
- 出荷予定: 2026年12月
- 10周年限定モデル: メカニカルスケルトン腕時計付きの特別版も用意
渋谷TSUTAYAやツタヤエレクトリクス+でのタッチ&トライイベントも予定されているので、実物を手に取って確かめることもできます。
用語ミニ解説
- AMOLEDディスプレイ: 有機ELの一種で、黒が本当の「消灯」になるため、色のコントラストが鮮やか。スマホの高級モデルにも使われている技術です(映画館と家のテレビくらいの差があるイメージ)
- RTOS(リアルタイムOS): 決められた時間内に確実に処理を完了させるOS。スマートウォッチのように限られたバッテリーで動くデバイスに適しています
- VO2 Max: 体が1分間に取り込める酸素の最大量。数値が高いほど持久力があるとされ、マラソンランナーの体力指標としても使われます
- NFC決済: スマホやカードをかざすだけで支払いできる近距離通信技術。モバイルSuicaやiDなどがNFCの仲間です
Me-Moon編集後記 🌙
大企業から”巣立った”プロジェクトが、ブランドと技術を引き継いで新しい会社として再出発する——wena Xの物語は、製品そのものの面白さに加えて、テクノロジーの世界で「情熱が技術を生かし続ける」という人間ドラマがあるところに惹かれました。
お気に入りの腕時計を捨てなくていい、でもスマートウォッチの便利さも諦めない。そんな「両方ほしい」を叶えるデバイスが、かつてソニーから生まれたチームの手で進化を続けている——テクノロジーの世界って、やっぱり面白いなと思わせてくれる一台です🌙
参考リンク
- ソニーwena開発者が独立、世界最小スマートウォッチ「wena X」発表 — ITmedia Mobile, 2026年3月17日
- 「wena X」はソニーの「wena」を独立継承した世界最小スマートウォッチ — 家電 Watch, 2026年3月17日
