3行でわかるこの記事
- 何が起きた? ネットにつながず、端末の中だけで動く無料のローカルAIが2026年に入って一気に増えました。
- 重要なポイント 画像はKrea 2とBonsai、声はIrodori-TTS、音楽はMagenta RealTime 2が代表格です。
- なぜ注目? 月々の料金も、回数の上限も、データが外に出る心配もなしにAIを楽しめるからです。
はじめに
「AIで遊んでみたいけど、月額の支払いがまた増えるのはちょっと」
「家族の写真や自分の声を、外のサービスに送るのは気が引ける」
そんな理由でAIを様子見している方に、知っておいてほしい流れがあります。ネットの向こうではなく、手元のスマホやパソコンの中だけで動くAIが、この数か月で立て続けに無料公開されました。作れるものは画像、声、音楽と広がっています。
この記事では、こんなことをお伝えします。
- ローカルAIだと何がうれしいのか?
- 画像・声・音楽、それぞれどれを使えばいいのか?
- 自分の端末で動くのか、どれから始めればいいのか?
道具の名前がいくつか出てきますが、できるだけわかりやすくお伝えしますね。
ひとことで言うと
料金・回数・プライバシーの3つの引っかかりをまとめて外せるのがローカルAIで、画像・声・音楽の4つの無料ツールが今の入り口です。ここからは、共通のうれしさと、道具ごとの選び方を順番に見ていきましょう。
ローカルAIって何?なぜ今増えているの?
ローカルAIは、ネットの先にある大きなコンピューターに頼らず、手元の端末の中だけで動くAIのことです。出前を頼まず、自宅の台所で料理するイメージです。
うれしさは大きく3つあります。
1つ目は、無料で回数を気にせず使えることです。この記事で紹介する4つは、どれもお金をかけずに手に入ります。月額のサービスと違い、納得いくまで何度でも作り直せます。
2つ目は、電波がいらないことです。一度手元に入れてしまえば、地下鉄でも旅先でも動きます。
3つ目は、打ち込んだ言葉も作ったものも外に出ていかないことです。家族の写真をもとにした画像や、人に見せたくない試し書きも、端末の中だけで完結します。
増えている背景には、大きなAIを小さく縮める技術の進歩があります。たとえば後で紹介するBonsaiは、本来7GB以上のメモリが必要だったAIを、絵の出来ばえを9割ほど保ったまま1GB前後まで縮めています。大きな木を小さな鉢に収める盆栽のような話が、この1年で現実になってきました。
画像を作るなら。スマホ派はBonsai、パソコン派はKrea 2
画像生成は、使う端末で選ぶのが早道です。
スマホで始めたいならBonsaiです。2026年5月に公開されたiPhoneの無料アプリで、会員登録もログインもいりません。言葉を打ち込むと、速い機種なら十数秒、少し前の機種でも30秒ほどで1枚できあがります。公開元のテストにはiPhone 17 ProやiPhone Airが使われているので、目安は最近のiPhoneです。カフェでコーヒーを待つあいだに、頭に浮かんだ風景を1枚にできます。
パソコンで本格的にやりたいならKrea 2です。2026年6月に無料でオープン公開され、人の目で見比べる評価では人気モデルのFLUX.2より高品質と判断されました。ゲームがなめらかに動くくらいのパソコンなら、1枚をおよそ10秒から25秒で作れたという報告があります。実際の写真と見分けがつきにくいものから、やわらかいイラストまで作れます。
仕上がりの細かさで選ぶならKrea 2、手軽さと身軽さで選ぶならBonsai。どちらも無料なので、両方試して手に合うほうを残す、でも構いません。
声で遊ぶなら。Irodori-TTS v3
文字を打ち込むと、好きな声で読み上げてくれるのがIrodori-TTSです。日本語が得意な無料の音声合成AIで、中身が公開されたオープンソースとして配られています。
面白いのは声の決め方です。お手本にしたい声のファイルを用意すればその声の雰囲気をまねてくれますし、「落ち着いた女性の声」のように文章で指定する使い方もできます。さらに新しいバージョンでは、文章に絵文字を混ぜるだけで声の感情が変わるようになりました。うれしい場面、すねた場面。書いたセリフに合う絵文字を添えるだけで、棒読みではない声になります。
自分で作った動画のナレーション、家族へのメッセージ、物語の登場人物の声。これまで録音や外注に頼っていた部分が、パソコンの中だけで完結します。
音楽で遊ぶなら。Magenta RealTime 2
楽器が弾けなくても、AIと一緒に演奏できるのが、Googleが2026年6月に無料公開したMagenta RealTime 2です。
曲を注文して出来上がりを待つのではなく、こちらの一音にその場で伴奏が返ってきます。反応の速さは最初の世代のおよそ15倍。無料アプリの「Jam」なら、入力欄に「明るいピアノ」と書くだけで音が流れ始め、画面の鍵盤で音の高さを変えられます。楽譜が読めなくても、鼻歌の気軽さで自分の短い曲が作れます。
音楽制作ソフトに足せる部品も無料で配られているので、すでに曲作りをしている方の相棒にもなります。
どれから始める?始める前に知っておきたいこと
迷ったら、いちばん手近な端末で決めるのがおすすめです。最近のiPhoneがあるならBonsai、ゲームも動くパソコンがあるならKrea 2、声や音楽で遊びたいならIrodori-TTSかMagenta RealTime 2。どれも無料なので、合わなければ消せばいいだけです。
一方で、先に知っておきたいこともあります。
まず、仕上がりの細かさでは、最新のクラウドAIにローカルAIは一歩譲ります。趣味やお試しには十分ですが、仕事の最終仕上げに使うかは作るものしだいです。
次に、ルールとマナーです。無料で使えることと、何に使ってもいいことは別の話です。仕事で使うなら利用規約の確認を。また、実在の人物にそっくりな画像や声を勝手に作って公開するのは、トラブルのもとになります。手元で完結して誰にも見られないからこそ、使い方は自分で線を引く必要があります。
道具は出そろいました。あとは、何を作るかを考える時間のほうが長くなりそうです。
用語ミニ解説
- ローカルAI: ネットの先のコンピューターを使わず、手元のスマホやパソコンの中だけで動くAIのこと。出前を頼まず自宅の台所で料理する形です。
- 画像生成AI: 作りたい絵の内容を言葉で伝えると、その通りの画像を作ってくれるAIのこと。
- 音声合成AI: 打ち込んだ文字を、人が話しているような声に変えてくれるAIのこと。カーナビの声の、もっと自由がきく版です。
- オープンモデル・オープンソース: AIの中身が公開され、誰でも無料で手元に置いて使える形のこと。
Me-Moon編集後記 🌙
この4つ、公開されたのは2026年の5月から6月に集中しています。ローカルAIの波が来ていることを、日付が教えてくれます。
月額と通信を前提にしていたAIが、ポケットと机の上に降りてきました。次の休みに、まずは1枚の画像か1行のセリフから作ってみたいですね🌙
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あわせて読みたい
– 画像・声・音楽ときたら次は文章。文章を書くAIをスマホの中だけで動かす話です
– この記事で紹介したBonsaiを、仕組みから詳しく解説しています
参考リンク
- 画像生成AI「Krea 2」がオープンモデル化されてローカル生成可能になったのでComfyUIで実写風画像とイラスト風画像を生成してみたよレビュー — GIGAZINE, 2026-06-24
- iPhoneでローカル動作する画像生成AI「Bonsai Image 4B」が登場したので使ってみた — GIGAZINE, 2026-05-27
- Introducing 1-bit and Ternary Bonsai Image 4B: Image Generation for Local Devices — PrismML(公式発表), 2026-05-26
- 声を指定して好きなセリフを喋らせられるローカルAI「Irodori-TTS」のV3が出たので使ってみた — GIGAZINE, 2026-06-07
- GoogleがAIとセッションできる音楽生成AI「Magenta RealTime 2」を公開&DAWプラグインや楽器アプリも無料公開 — GIGAZINE, 2026-06-05
- Magenta RealTime 2: Open & Local Live Music Models — Google Magenta, 2026-06-04
