3行でわかるこの記事
- 何が起きた? 写真の中の消したいものを、ブラシでなぞるだけで取り除けるAIツール「Erase」が公開されました。
- 重要なポイント 画像生成AI「FLUX」で知られる会社が作った、ブラウザで使える無料のデモがあります。
- なぜ注目? 特別なソフトも、高いスマホも持っていなくても、写真の整理がその場でできるからです。
はじめに
「せっかくのいい写真なのに、端っこに知らない人が写り込んでる」
そんな経験、一度はあるのではないでしょうか。
電線、ゴミ箱、地面に落ちた空き缶。写したかったものの隣に、消したいものまで一緒に写ってしまうことはよくあります。今、その消したいものをブラシでなぞるだけで取り除ける無料のAIツールが登場しました。
この記事では、こんなことを解説していきます。
- 「Erase」って何ができるの?
- なぜ今、こんなツールが出てきたの?
- スマホの写真消し機能と、何が違うの?
画像のAIと聞くと難しそうに見えるかもしれませんが、できるだけわかりやすくお伝えしますね。
ひとことで言うと
画像生成AIで知られる会社が、写真の中の消したいものをブラシでなぞるだけで取り除ける無料のツールを公開しました。特別な編集ソフトも、新しいスマホもいりません。ここからは、その背景と仕組みを順番に見ていきましょう。
そもそも「Erase」って、何ができるの?
写真の中の消したいものを、ブラシで塗って消せるツールです。
使い方はとてもシンプルです。開発元の公式サイトにある無料のデモページをブラウザで開き、手元の画像を画面にドラッグして取り込みます。消したい部分をブラシでなぞって塗りつぶし、ボタンを押すと、少し待つだけでその部分が背景になじむ形で消えます。塗った物そのものだけでなく、その物が落としている影や、水面に映った反射まで一緒に処理してくれるのが特徴です。仕上がった画像は、そのまま保存できます。
写真を切り抜いて貼り合わせるような難しい作業が、お絵かきアプリで色を塗る感覚に近づいた、と考えるとイメージしやすいかもしれません。夜にカフェで撮った一枚を見返していて、奥のテーブルに置きっぱなしの伝票が気になったとき、その部分を指でなぞって消す。それくらいの軽さで写真を直せます。自分のスマホに眠っている一枚で、どこまできれいに消えるのか試したくなります。
なぜ今、こんなツールが出てきたの?
作ったのが、画像づくりのAIで実績を重ねてきた会社だからです。
開発元はBlack Forest Labsという会社で、文章を入力すると絵を作る画像生成AI「FLUX」で名前が知られています。これまで「絵を生み出す」ことが得意だった技術を、今回は「消したものの跡を埋める」ことに向けたわけです。
ポイントは、「消す」作業と「消したあとの背景を作り直す」作業を、別々ではなくひとつの作業としてまとめて覚えさせたところにあります。だから消した跡がのっぺりと不自然に残りにくく、最初からそこに何もなかったように仕上がります。公式の告知は2026年5月21日に出され、その翌日にニュースとして取り上げられました。新しいもの好きの人がさっそく自分の写真で試し、その仕上がりが話題になっています。
スマホの写真消し機能と、何が違うの?
機種や条件を選ばず、ブラウザがあれば誰でも試せるところです。
実は、写真から不要なものを消す機能は、最近のスマホにも入り始めています。Appleの写真の編集機能や、Googleの「消しゴムマジック」がよく知られています。ただ、こうした機能は使える機種や設定が決まっていることがあり、自分のスマホでは見当たらない、という人もいます。
その点「Erase」は、パソコンでもスマホでも、インターネットにつながったブラウザで公式のデモページを開くだけで使えます。しかも無料です。数年前のスマホでも、会社で使っているパソコンでも、思い立ったときにその場で開いて試せます。「新しい端末を買わないと使えない便利機能」だったものが、誰の手元にもある画面に近づいてきました。
これから、写真とのつき合い方はどう変わる?
「撮り直す」より「あとで直す」が、当たり前になっていきそうです。
これまでは、余計なものが写らないように立ち位置を変えたり、人が途切れる一瞬を待ったり、何枚も撮り直したりしていました。これからは、まず一枚撮っておいて、気になるものは後からそっと消す、という順番が選べます。観光地で撮った家族写真の後ろを歩く人を消す。フリマアプリに出す服の写真から、床に置いたハンガーや生活感のある物を片づける。料理を撮ったときに端に写ったリモコンを消す。使い道は、毎日のスマホの中に思った以上にたくさんあります。
一方で、消せるからこそ気をつけたいこともあります。他人が写っている写真や、事実を伝える記録の写真を勝手に作り変えるのは、慎重になりたいところです。道具が便利になるほど、何を消して何を残すかという小さな判断が、撮る人の側に戻ってきます。まずは自分の風景写真から、気になっていた一点を消すところから始めてみると、面白さが伝わるはずです。
用語ミニ解説
- Black Forest Labs(ブラックフォレストラボ): 言葉から絵を作る画像生成AI「FLUX」で知られる会社。今回の不要物削除ツール「Erase」の開発元です。
- FLUX(フラックス): Black Forest Labsの画像生成AI。文章を入力すると、その内容に合った画像を作ってくれます。(注文を伝えると絵を描いてくれる絵師さんのイメージ)
- 消しゴムマジック: Googleが提供する、写真から不要なものを消す機能。今回の「Erase」と似た役割を持ちます。
- デモ版: 製品をためしに触れるお試し版のこと。「Erase」はこのお試し版が無料で公開されています。
- PNG(ピング): 画像を保存するときによく使われる形式のひとつ。写真をきれいなまま残せます。
Me-Moon編集後記 🌙
写真を撮るとき、消したいものを避けようと角度を変えたり、何枚も撮り直したりしてきました。塗るだけで消せるなら、その手間そのものがいらなくなります。
ただ、その手間も悪くなかったな、と思う自分もいます。消すか、そのままにしておくか。迷えること自体が、今はちょっと面白いですね🌙
参考リンク
- 画像生成AI「FLUX」の開発元が不要物削除ツール「Erase」を発表、無料で使えるデモアプリもあり — GIGAZINE, 2026-05-22
- Black Forest Labs 公式サイト — Black Forest Labs, 2026-05-21
- Black Forest Labs 公式ブログ — Black Forest Labs, 2026-05-21
