JPYCで支払う時代が来る?手数料0円の新決済アプリ「ミセペイ」が渋谷・名古屋で試験導入

3行でわかるこの記事

  • 何が起きた? JPYC対応のQRコード決済アプリ「MisePay」が、2026年7月8日から渋谷と名古屋の店舗でトライアル導入を始めました。
  • 重要なポイント 加盟店が支払う決済手数料は0%、導入費用も0円という仕組みです。
  • なぜ注目? ステーブルコインが実際のお店の会計で使える、具体的な一歩だからです。

はじめに

0%。2026年7月8日から渋谷と名古屋の一部のお店で使えるようになった新しいキャッシュレス決済で、お店側が支払う手数料の数字です。

「キャッシュレス決済なら、もうクレジットカードやPayPayで十分では?」

そう感じる方は少なくないかもしれません。でも実は、お店側にとってキャッシュレス決済には見過ごせない負担があります。クレジットカード決済の手数料は、個人経営のお店で3〜5%程度かかることが珍しくありません。100万円売り上げても、3万円から5万円がまるごと手数料で消えてしまう計算です。

この記事では、次の3つを順番にお伝えします。

  • JPYCという日本円のステーブルコインとは何なのか
  • 「MisePay」というサービスで何が変わるのか
  • 決済手数料をゼロにできる理由と、これから起こるかもしれない変化

読み終える頃には、なぜお店の会計にステーブルコインが使われ始めたのか、その仕組みがすっきりわかっているはずです。できるだけわかりやすくお伝えしますね。

ひとことで言うと

日本円と同じ価値になるよう設計されたステーブルコイン「JPYC」を使い、決済手数料0%でお店の会計ができる新しいQRコード決済アプリ「MisePay」が、渋谷と名古屋の3店舗で試験導入されました。ここからは、その背景と仕組みを順番に見ていきましょう。

JPYCとは、どんなお金なのか?

JPYCは、日本円1円と同じ価値になるよう設計された、ブロックチェーン上のステーブルコインです。JPYC株式会社が発行しており、円建ての資産を裏付けとして持つ仕組みになっています。

たとえるなら、銀行預金をそのままインターネット上に持ち出せるデジタル現金のようなものです。普通の暗号資産は値段が大きく上下しますが、JPYCは常に1円と同じ価値を目指して設計されているため、値動きを気にせず日常の買い物に使いやすいのが特徴かもしれません。

これまでもJPYCは、京都の自動販売機での実証実験など、実際の消費シーンでの利用が少しずつ広がってきました。今回の「MisePay」は、その流れをさらに一歩進める取り組みです。

渋谷と名古屋の3店舗で何が始まったのか?

株式会社Sowaka Japanは2026年7月7日、JPYC対応の店舗向けQRコード決済アプリ「MisePay」のトライアル導入を発表しました。トライアルは7月8日から始まり、東京都渋谷区の「VILLAS渋谷センター街店」と「CROSS POINT TODOME」、愛知県名古屋市の「サカナファクトリー柳橋中央市場店」の3店舗が対象です。

利用者は、お店に掲示されたQRコードを読み取り、スマートフォンのウォレットからJPYCで支払います。お店側は専用端末を用意する必要がなく、QRコードひとつで導入できる仕組みです。飲食店やバー、海鮮料理店など業種の異なるお店が最初の対象になっている点にも、実際の会計シーンでの使い勝手を確かめる狙いがうかがえます。

なぜ決済手数料をゼロにできるのか?

「MisePay」の最大の特徴は、加盟店が支払う決済手数料が0%、導入費用も0円という点です。クレジットカード決済では、カード会社や決済代行会社がそれぞれ手数料を差し引く仕組みになっていますが、ブロックチェーン上でJPYCをやり取りする場合、こうした仲介の手数料を大きく圧縮できる可能性があります。

たとえるなら、これまで荷物を運ぶのに複数の運送業者を経由していたところを、直接届けられるようになったようなイメージです。運送業者を挟む回数が減れば、その分のコストも下がります。

さらに「MisePay」は、スマートアカウントという技術を使い、管理者権限は渡さずに返金の権限だけを店舗単位・金額の上限つきで現場スタッフに与えられます。現金にはない、きめ細かな運用のしやすさです。

この仕組みは私たちの生活をどう変えるかもしれないのか?

今回のトライアルは、まだ渋谷と名古屋の3店舗という小さな規模です。ただ、加盟店の追加募集もすでに始まっており、飲食店や小売店を中心に対象が広がっていく可能性があります。

決済手数料が下がれば、お店側は商品の価格を抑えたり、ポイント還元を手厚くしたりする余地が生まれるかもしれません。私たち利用者にとっても、スマートフォンひとつでステーブルコインを使った会計ができる場所が、少しずつ身近になっていくことが期待されます。

用語ミニ解説

  • JPYC: 日本円1円と同じ価値になるよう設計されたステーブルコイン。JPYC株式会社が発行し、円建ての資産を裏付けに持つ(「デジタルな円」のイメージ)。
  • ステーブルコイン: 価格が大きく変動しないように設計された暗号資産の一種。法定通貨や資産を裏付けに持つことで、値動きを抑えている(「値段が動かない暗号資産」のイメージ)。
  • QRコード決済: スマートフォンでQRコードを読み取って支払う決済方法。専用端末が不要で導入しやすいのが特徴(「バーコードで会計するレジ」のイメージ)。
  • スマートアカウント: ブロックチェーン上のウォレットに、権限や利用条件を細かく設定できる技術。誰が何をどこまでできるかを柔軟に制御できる(「鍵の種類を細かく分けられる金庫」のイメージ)。
  • 加盟店手数料: お店がキャッシュレス決済を導入した際に、決済会社に支払う手数料。売上の一部が手数料として差し引かれる(「仲介役への取り次ぎ料」のイメージ)。

Me-Moon編集後記 🌙

手数料0%と聞くと、どこかにからくりがあるのではと身構えてしまいますが、今回はブロックチェーンで仲介を減らした結果という、意外とシンプルな理由でした。

まだ渋谷と名古屋の3店舗という小さな一歩ですが、お店とお客さんの両方に無理のない仕組みだからこそ、少しずつ広がっていく気がします。1年後、この決済アプリが近所のお店でも当たり前になっている世界が楽しみですね🌙

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参考リンク

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監修者

小宮 滉

コインチェック株式会社を経て、現在はGUILD株式会社および一般社団法人Web3人材マネジメント協会の代表理事を務める。

Web3・仮想通貨分野では、「NGG(NinjaGuild_Japan)」というコミュニティの運営や、「IVS Crypto THE DEMODAY」MetaMeトラックでの優勝など、多くの実績を有する。

また、AI・ブロックチェーン開発を強みとしたDXサービスを提供し、企業の成長を支援します。AI・ブロックチェーン技術との統合を通じて、DX体験をシームレスに実現し、ユーザーと企業の双方に新たな価値を創出することを目指して、開発支援やマーケティングを行っております。

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