3行でわかるこの記事
- 何が起きた? 言葉が通じない相手とは、スマホの翻訳アプリの画面を見せ合うのが当たり前でした。その往復をなくすAIメガネ「INMO GO3」が、7月30日(木)に日本で発売されます。
- 重要なポイント メガネの中のマイクが拾った相手の言葉が、オンラインなら98言語、電波が届かない場所でも日本語や英語など9言語で字幕になり、視界に浮かびます。
- なぜ注目? 希望小売価格は99,800円、重さは約58g。相手の顔を見たまま、言葉を読めるようになるからです。
はじめに
「言葉が通じないんだから、スマホを見せ合うしかないよね」
海外の街の小さな店で、棚に並んだ品物を指さしました。店の人が何か教えてくれたようですが、聞き取れません。スマホを取り出して翻訳アプリに日本語を吹き込み、画面を相手に向けます。相手も自分のスマホに話しかけて、画面をこちらに向けてくれました。言いたいことは伝わりました。ただ、そのあいだ一度も、相手の顔を見ていませんでした。
その画面の往復を、メガネ1つで置き換えようとしている製品が7月30日に日本で発売されます。AIスマートグラス「INMO GO3」です。かけている人の視界には、相手が話した言葉が字幕になって浮かびます。
この記事では、こんなことをお伝えします。
- かけたとき、相手の言葉がどんなふうに見えるのか
- 98言語という数字は、電波の届かない場所でも通じるのか
- 自分が話した言葉を相手に届けるには、何が必要なのか
- 値段や重さは、毎日かけられる範囲におさまっているのか
耳慣れない言葉も出てきますが、できるだけわかりやすくお伝えしますね。
ひとことで言うと
INMO GO3は、翻訳そのものを賢くする製品ではなく、翻訳のあいだ下を向いていた時間を相手の顔に戻すためのメガネです。ここからは、かけたときに何が見えるのか、その字幕がどこまで通じるのかを順番に見ていきましょう。
INMO GO3をかけると、相手の言葉はどんなふうに見える?
見えるのは、目の前の景色に重なった緑色の文字です。相手が話しはじめると、メガネの中のマイクがその声を拾い、すぐにレンズへ字幕が出ます。ASCII.jpによると、内蔵マイクで音声を拾い、リアルタイムでグラス上に字幕として表示する仕組みです。操作するのは右のつるにある2つのボタンとタッチセンサーで、スマホを取り出して相手に向ける動作は、ここに入ってきません。
文字を映しているのは、両目それぞれのレンズに向けて置かれた小さな表示部です。字幕が浮かぶのは視野角にして30度ぶんで、視界のすべてが文字で埋まるわけではありません。正面のある一帯にだけ文字が並び、その外側は今までどおり相手の顔や店先の様子が見えています。明るさは最大1500ニトまで出せるので、屋外でも読める見え方です。
つまり字幕は、相手の顔とほぼ同じ方向に出ます。相手がうなずいたのか、少し困った顔をしたのかを見ながら、言葉の意味を受け取れます。
98言語は、どこまで通じる?
オンラインでつながっている状態なら、対応言語は98です。ケータイ Watchによれば、それに加えてオフラインでも日本語・英語・簡体字中国語・韓国語など9言語の翻訳が使えます。
この9言語という数字が、旅先ではかなり効いてきます。空港に着いてすぐ、まだ現地の通信の手続きが済んでいない時間。地下鉄のホーム、山あいの町、電波の入りが不安定な宿。翻訳が必要な場面ほど、電波が心もとない場所で起きがちです。つながっていなくても、日本語と英語のあいだなら字幕は出ます。
INMO GO3が担当するのは「相手の言葉を読む」ところまでです。ASCII.jpの記事によると、双方向で会話するにはオプションの「INMO Speaker」を組み合わせ、相手の言語はメガネに表示され、自分が発した言葉は翻訳されてスピーカーから相手の言語で流れる形になります。メガネだけを買って、自分の日本語がそのまま相手の耳に届くわけではありません。このスピーカーの価格は今回の発表では触れられていないので、双方向で話したい人は、2つで1組と考えておくと安心です。
値段も重さも、毎日かけられる?
希望小売価格は99,800円で、発売は7月30日(木)。予約販売は7月17日から29日までです。カラーはBlack RedとBlack Silverの2色があり、Black Silverは日本先行での発売になります。
重さは約58g。つる、つまり耳にかける部分の厚さは8mmです。こめかみのあたりに機械が入っている以上ふつうのメガネよりは存在感がありますが、朝かけて出かけられる重さにおさまっています。度付きレンズも用意されます。ケータイ Watchによると、7月31日から「JUN GINZA」と共同開発したレンズが選べるようになります。視力に合わせたレンズを入れる道が、発売の翌日から開くということです。
電池はどうでしょうか。駆動時間は通常使用で最大8時間、スピーチプロンプターの使用で最大3.3時間、対話翻訳で最大3時間とされています。翻訳を使い続ければ3時間ほど、と考えると心細く感じるかもしれません。ただ、このメガネのバッテリーは取り外して替えられます。付属の充電ケースと組み合わせれば、外出先でも交換できます。丸1日の観光でも、昼食のあいだにケースへ戻しておく使い方ができます。
聞き慣れないメーカーかもしれません。プレスリリースによると、INMOは必要な機能を1台にまとめたタイプのAIスマートグラスで、2021年から2025年の累計販売台数が世界No.1と調査会社に認定されています。
字幕が出るのは、翻訳のときだけ?
翻訳以外にも、視界に文字を出せる場面が用意されています。身近なのは、結婚式のスピーチや朝礼です。
原稿を手元の紙で読むと、どうしても顔が下を向きます。INMO GO3のAIテレプロンプターは、話すペースに合わせて原稿を自動でスクロールしてくれます。ケータイ Watchによると、原稿はテキストファイルやWordファイル、PDFなどの形式で作ったものを、スマートフォンのアプリ経由で入れておく形です。緊張で1行飛ばしても、次の言葉が目の前に残っています。祝いの席で、新郎新婦の顔を見ながら話せます。
仕事の場面ではAI議事録があります。会議の音声を自動で文字起こしして、要約とタスクの抽出まで引き受けてくれるので、メモに気を取られて議論を聞き逃すことが減ります。旅の道中ではARナビゲーションです。進む方向、残り距離、到着予定時刻が、前を向いたまま視界の中で確認できます。
翻訳でも、スピーチでも、道案内でも、このメガネがしているのは同じことです。顔を下げる理由を1つずつ減らしています。
翻訳に使っていた時間は、どこへ行く?
スマホの翻訳アプリで会話をするとき、私たちは思った以上に多くの動作をしています。ポケットから出す、アプリを開く、話しかける、画面を相手に向ける、相手が読み終わるのを待つ、返ってきた画面を受け取る、読む。ここまでで、短くても十数秒。その十数秒のあいだ、目は手のひらの上にあります。
INMO GO3が減らすのは、この十数秒です。翻訳が賢くなったのではなく、翻訳のために手とスマホを使わなくてよくなりました。空いたぶんの時間と視線は、そのまま相手に向きます。相手が笑ったタイミングで一緒に笑えるし、言葉に詰まった様子を見て言い方を変えられます。
字幕が完璧に出るわけではないでしょうし、対話翻訳を続ければ電池も減ります。それでも、言葉が通じない相手と話すときに顔を見ていられるかどうかは、会話の中身をかなり変えます。旅先で道を聞いた相手と、少しだけ長く立ち話ができるかもしれません。
用語ミニ解説
- AIスマートグラス: マイクや小さなコンピューターを内蔵したメガネ。話しかけたり、聞こえた音を処理したりできます。
- オフライン翻訳: インターネットにつながっていない状態でも動く翻訳。メガネの中に翻訳の仕組みを持っているため使えます。
- INMO Speaker: INMO GO3と組み合わせて使う別売りのスピーカー。自分が話した言葉を相手の言語にして音で流します。
- AIテレプロンプター: 話し手だけに原稿を見せる仕組み。INMO GO3では話す速さに合わせて原稿が自動で進みます。
- ニト: 表示の明るさを表す単位。数字が大きいほど、明るい場所でも文字が見やすくなります。
Me-Moon編集後記 🌙
言葉が通じない相手と話すとき、いちばん惜しいのは翻訳の精度ではなく、下を向いていた時間なのかもしれません。目の高さに文字が出るというだけで、会話が会話らしくなります。
耳で聞くAIメガネが増えるなかで、読ませる方を選んだのが新しいです。旅先で誰かと立ち話をする時間が、少し伸びる夏になりそうですね🌙
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参考リンク
- 世界No.1 AIスマートグラスブランド、日本初上陸 毎日使えるスマートグラス「INMO GO3」、7月30日(木)発売 — PR TIMES(イノモ日本株式会社), 2026-07-16
- AIスマートグラス「INMO GO3」が日本上陸、「前を向いてAIにアクセスできる」実用的な機能を搭載 — ケータイ Watch, 2026-07-16
- 世界で人気のAIスマートグラス「INMO GO3」日本上陸、翻訳や録音・議事録、テレプロンプター、ナビなど機能豊富 — ASCII.jp, 2026-07-16
