全編AIで作る縦型ドラマ「Vigloo」がコスト9割減、制作期間も3分の1に

3行でわかるこの記事

  • 何が起きた? 韓国発の縦型ショートドラマ「Vigloo」が、制作のほぼ全工程に生成AIを使い、コストを9割以上、制作期間を3分の1に減らしたとITmediaが伝えました。
  • 重要なポイント 背景や特殊効果、音楽までAIが担い、すでに全編AIで作られた作品も配信されています。
  • なぜ注目? 観る人は作り方では作品を選ばないため、気づかないうちにAI制作のドラマを楽しむ時代が近づいているからです。

はじめに

「最近スマホで縦型のドラマよく観てるんだよね」

そう言う友達、まわりに増えていないでしょうか。
電車のなかで親指でスクロールしながら、1話1〜2分のドラマを次々に観ていく。あの縦型ショートドラマです。

実はその縦型ドラマ、いま「全部AIで作られているかもしれない」という話が出ています。役者さんが演じている映像かと思いきや、人物も背景も音楽もAIがこしらえた、ということがありえる時代になってきました。

この記事では、こんなことをお伝えしていきます。

  • そもそも縦型ショートドラマって、どういうもの?
  • なぜAIで作るとコストが9割も減るの?
  • 私たちの「ドラマを観る体験」はどう変わっていく?

なんだか難しそうに見えるかもしれませんが、できるだけわかりやすくお伝えしますね。

ひとことで言うと

韓国発の縦型ドラマ配信「Vigloo」が、撮影や背景づくりの多くをAIに任せることで、制作費を9割以上減らし、期間を3分の1に縮めました。ここからは、その背景と仕組みを順番に見ていきましょう。

そもそも、縦型ショートドラマって何がそんなに人気なの?

縦型ショートドラマは、スマホの画面いっぱいに縦のまま映る、1話あたり1〜2分の短いドラマです。
恋愛ものや復讐もの、すれ違いから始まる物語などが多く、続きが気になる引きで次々に観てしまう作りになっています。

今回の主役である「Vigloo」は、韓国のSpoonlabsという会社が運営する配信サービスです。
公式発表によると、2024年7月に始まり、韓国と日本を合わせて100作品以上のオリジナルを、8つの言語で届けてきました。テレビの連続ドラマが一話45分なのに対して、こちらは信号待ちのあいだに一話終わる手軽さ。そこが受けている理由のひとつです。

ここで気になるのが、これだけ多くの作品を、どうやって次々に作っているのかという点です。
実はその答えのカギが、生成AIにありました。

なぜAIを使うと、制作費が9割も減るの?

ふつうのドラマづくりには、たくさんの工程があります。
役者さんを集めて、舞台になる場所を借りて、カメラを回し、特殊効果や音楽をあとからつける。この一つひとつにお金と時間がかかります。

Viglooはこの工程の多くを生成AIに置き換えました。
ITmediaによると、火花や爆発といった特殊効果はほぼすべて、背景や映像はおよそ85%、音楽はおよそ40%をAIが手がけているといいます。そのうえで、AIを制作の流れに組み込むと、制作コストは9割以上減り、制作期間は3分の1に縮むと伝えられています。

考えてみてください。
近未来の街を本物そっくりに撮ろうとすれば、大がかりなセットや合成にお金がかかります。Viglooの場合、数千万円規模の予算が必要だった難しい場面も、AIの映像生成で再現できるようになったと公式発表は説明しています。お金のかかる場所こそ、AIに置き換える効果が大きいわけです。

もう「全部AIで作ったドラマ」は配信されているの?

すでに配信されています。
公式発表によると、Viglooは2025年10月2日から、全編をAIで制作した作品の配信を始めました。恋愛もの『地獄からやってきた私の救世主』と、近未来を舞台にしたSFアクション『ソウル:2053』です。

特にわかりやすいのが制作期間の変化です。
『地獄からやってきた私の救世主』は、本来なら約6か月かかるところを2か月で仕上げたとされています。半年の仕事が2か月。ちょうど3分の1です。
『ソウル:2053』のほうは、撮影では再現が難しい場面の制作費を9割以上減らせたと説明されています。

つまり「実験してみた」段階ではなく、お客さんが実際に観られる形で世に出ている、という現在地です。

私たちは、AI制作だと気づいて観ているの?

ここが今回いちばん面白いところです。
多くの視聴者は、作品が手作業で撮られたかAIで作られたかを、選ぶ基準にしていないと見られています。面白ければ観るし、退屈なら離れる。作り方そのものは、観る人にとって意外と大きな関心事ではないようです。

実際Viglooは、視聴データの分析などにもAIを活用しており、2026年にはAIを使った制作の割合を全体の3割以上に高める見込みだと伝えられています。
言いかえると、私たちはこれから、AIが作ったドラマを「AIだと意識しないまま」観る機会が増えていくということです。料理を出されたとき、どの調理器具で作ったかをいちいち気にしないのと似ています。

縦型ショートドラマの世界では、DramaBoxやReelShortといった海外サービスも競い合っています。
作るのが速く安くなれば、それだけ多くの物語が生まれます。観る側にとっては、楽しめる作品の数が増えていく流れだといえます。

用語ミニ解説

  • 生成AI: 文章や画像、映像などを自動で作り出すAIのことです。(おねがいすると、そのとおりの絵を描いてくれる絵描きさんのイメージ)
  • 縦型ショートドラマ: スマホを縦に持ったまま観る、1話1〜2分の短いドラマです。(マンガを一気読みする感覚で、続きが気になる作りになっています)
  • 特殊効果: 爆発や火花、光の演出など、ふつうに撮るのが難しい映像表現のことです。(手品でいう仕掛けの部分にあたります)
  • Vigloo: 韓国のSpoonlabsが運営する縦型ショートドラマの配信サービスです。(韓国発の、スマホ向けドラマ専門の動画サービスというイメージ)

Me-Moon編集後記 🌙

正直、最初に「全部AIで作ったドラマ」と聞いたときは、どこか作りものっぽい映像を想像していました。
でも観る人の多くが作り方を気にしていない、という話のほうがずっと面白いです。私たちはもう、知らないうちにAIの作品に楽しませてもらっているのかもしれません。

半年かかる仕事が2か月で終われば、その分だけ新しい物語が世に出てきます。
来年、お気に入りになった縦型ドラマが実はAI制作だった、なんてことが起きていそうですね🌙

参考リンク

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監修者

小宮 滉

コインチェック株式会社を経て、現在はGUILD株式会社および一般社団法人Web3人材マネジメント協会の代表理事を務める。

Web3・仮想通貨分野では、「NGG(NinjaGuild_Japan)」というコミュニティの運営や、「IVS Crypto THE DEMODAY」MetaMeトラックでの優勝など、多くの実績を有する。

また、AI・ブロックチェーン開発を強みとしたDXサービスを提供し、企業の成長を支援します。AI・ブロックチェーン技術との統合を通じて、DX体験をシームレスに実現し、ユーザーと企業の双方に新たな価値を創出することを目指して、開発支援やマーケティングを行っております。

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