3行でわかるこの記事
- 何が起きた? 自動運転専用に一から作られた新型タクシー「Ojai」が公開されました。
- 重要なポイント 運転席がなく、ドアがエレベーターのように両側に開きます。
- なぜ注目? 人が運転しない前提で、車そのものが作り直されたからです。
はじめに
「自動運転のタクシーって、まだまだ先の話でしょ?」
そう思っている方は、多いかもしれません。
でも実は今、運転手がいないことを前提にゼロから設計されたタクシーが、海外で実際に走り始めています。
この記事では、こんなことを解説していきます。
- 普通のタクシーと、どこが違うの?
- なぜ「専用に作る」ことが大事なの?
- 私たちが乗れる日は、来るの?
少し先の未来の話に聞こえるかもしれませんが、できるだけわかりやすくお伝えしますね。
ひとことで言うと
人が運転しないことを前提に、車そのものを一から作り直した新型タクシーが登場しました。ここからは、その中身と未来を順番に見ていきましょう。
Ojaiって、普通のタクシーと何が違うの?
このタクシーを作ったのは、Googleと同じグループにあるWaymo(ウェイモ)という自動運転の会社です。5月28日に、新型ロボタクシー「Ojai(オハイ)」を公開しました。
いちばん目を引くのは、運転席がないことです。ハンドルもアクセルもなく、車の中はまるごと乗る人のための空間になっています。ドアはエレベーターのように両側へ開き、乗り降りもゆったり。床は平らで広く、後ろの座席には大きな画面が3つ、飲み物を置く場所や充電口もそろっています。タクシーというより、動く小さなラウンジに近い雰囲気です。
さらに、いろいろな人が使いやすいように工夫されています。目の不自由な方のための点字の案内や、体を支えるための手すり、車内に流れる音を選べる仕組みまで用意されています。運転手にお願いしていた気づかいを、車のほうがあらかじめ持っている。そんな作りになっています。
なぜ「専用に作る」ことが、そんなに大事なの?
ここが今回のいちばんの肝です。
これまでの自動運転タクシーの多くは、市販されている普通の車に、後からセンサーや機械を取り付けたものでした。つまり「人が運転する車」を借りてきて、無理やり自動運転にしていたわけです。当然、運転席もハンドルも残ったままでした。
今回のOjaiは、その発想を逆にしています。最初から「人は運転しない」と決めて、車を一から設計しました。だから運転席をまるごと取り払い、その分を乗る人の空間に回せます。考え方が、馬車から自動車に変わったときの転換に少し似ています。馬がいなくなったのに馬車の形のままでは、もったいない。人が運転しなくなるなら、車の形そのものを変えていい。その当たり前のような一歩を、実際の車で踏み出したのが大きな意味を持ちます。
中国のメーカーが作ってるの?
この車体を作っているのは中国の電気自動車メーカー、Zeekr(ジーカー)です。
設計はスウェーデンで行い、車体は中国で製造し、自動運転の頭脳にあたる部分はアメリカの工場で取り付ける。一台のタクシーに、いくつもの国の力が集まっています。頭脳の部分は最新の第6世代と呼ばれるもので、たくさんのカメラやセンサーで周りをぐるりと見渡しながら走ります。世界のあちこちで走ってためた経験が、この一台に詰め込まれているわけです。
国境をまたいで部品と技術を持ち寄り、運転手のいない車を仕上げる。タクシー一台の裏側に、こんな国際的なチームがいると知ると、ちょっと見方が変わります。
私たちが乗れる日は、来るの?
うれしいことに、これはもう実験室の中だけの話ではありません。
Ojaiは、アメリカのサンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックスで、登録した一部の利用者を対象に乗車が始まっています。専用アプリから申し込んで順番を待つ形ですが、運転席のないタクシーに普通の人が乗れる段階まで来ています。日本の道で走り出すには法律やルールの整備が必要で、もう少し時間がかかりそうです。
こうした車が増えると、移動のしかたも少しずつ変わりそうです。深夜でも気をつかわずに乗れたり、運転が難しい方が自分のタイミングで出かけられたり。広い車内で、移動の時間そのものをくつろぎや作業にあてる、という使い方も考えられます。タクシーが「目的地まで運ぶ箱」から「過ごす空間」に近づいていく流れです。
それでも、運転手のいないタクシーをスマホで呼ぶ。そんな光景が海外では現実になり始めています。次に旅行で訪れた街で、ハンドルのないタクシーが静かに迎えに来る日も、そう遠くないのかもしれません。乗ってみたい気持ちが、じわじわわいてきます。
用語ミニ解説
- ロボタクシー: 運転手がいなくても、自動運転で走るタクシーのことです。(運転席が空っぽのまま走るタクシーのイメージ)
- 自動運転: 人がハンドルを握らなくても、車が自分で周りを見て走る技術です。今回のものは、かなり進んだ世代にあたります。
- Waymo(ウェイモ): Googleと同じグループにある、自動運転を開発する会社です。
- Zeekr(ジーカー): 今回の車体を作った中国の電気自動車メーカーです。
- センサー: 周りの様子を読み取る目や耳の役目をする装置で、車の安全な自動運転を支えます。
Me-Moon編集後記 🌙
ハンドルを取り払って、その場所をまるごと乗る人にゆずる。言われてみれば当たり前なのに、実際の車になると、未来が一歩近づいた感じがしますね。
タクシーというより、動く小さな部屋。海外の街角で、ハンドルのない一台に乗り込む場面を思い浮かべてみてください。あなたなら、運転席のないタクシーに乗ってみたいですか🌙
参考リンク
- Waymo、Zeekr製造の新型ロボタクシー「Ojai」を初公開 — ITmedia NEWS, 2026-05-29
- Waymo、自動運転専用の新車両「Ojai」 両開きドアと広い室内 — Impress Watch, 2026-05-29
- Waymoが第6世代自動運転技術搭載ロボタクシー「Ojai」の一般向けサービス展開を開始 — GIGAZINE, 2026-05-29
