3行でわかるこの記事
- 何が起きた? SBIが日本株ファンドをブロックチェーン上でトークン化し、世界で初めてグローバルに取引できるようにすると発表しました。
- 重要なポイント 業界全体では、上場企業の株を24時間365日・1円単位で売買できる仕組みづくりが進んでいます。
- なぜ注目? 株を買うハードルが下がり、まとまったお金がなくても投資を始めやすくなるからです。
はじめに
「株を買うって、まとまったお金と専門の知識がいるんですよね?」
そう感じている方は少なくないと思います。 平日の昼間しか取引できなかったり、1つの銘柄を買うのに何万円も必要だったり、株の世界にはいくつものハードルがありました。
でも今、そのハードルを一気に下げるかもしれない動きが始まっています。 きっかけは、株を「トークン」というデジタルの形に変える技術です。
この記事では、こんなことをお話しします。
- 株の「トークン化」って、そもそも何なのか
- 2026年7月に発表された世界初の取り組みは何なのか
- 私たちの投資が、これからどう変わっていくのか
聞き慣れない言葉が出てきますが、順番にやさしくお伝えしますね。
ひとことで言うと
株をブロックチェーンの上に載せることで、24時間365日・1円単位で売り買いできる未来が近づいています。ここからは、その背景と仕組みを順番に見ていきましょう。
そもそも、株の「トークン化」って何?
株のトークン化とは、株の持ち分をブロックチェーンの上で扱えるデジタルの引換券に置き換える仕組みのことです。
たとえるなら、遊園地の紙のチケットをスマホアプリのデジタルチケットに変えるようなものです。中身の価値は同じでも、デジタルになった途端に、スマホひとつで送ったり、細かく分けたりできるようになります。株もこれと同じで、トークンという形になると、これまでできなかった柔軟な扱い方ができるようになります。
なぜ今この話が出てきているのでしょうか。理由は、ブロックチェーンという技術が「誰が何をどれだけ持っているか」を正確に記録し続けられるからです。株という大切な財産を扱うには、間違いや不正が起きない仕組みが欠かせません。ブロックチェーンはその記録を安全に残すのが得意で、株の管理と相性が良いと言われています。
これまで株は、証券会社のシステムの中だけで管理されてきました。それをブロックチェーンの上に載せることで、時間や場所の制約を減らせるのではないか。そんな期待が、株のトークン化への注目を集めています。
2026年7月、何が発表されたの?
2026年7月15日、SBIグローバルアセットマネジメントが、日本株のファンドをブロックチェーンの上でトークン化すると発表しました。日本株のファンドをブロックチェーンでグローバルに売買できるようにするのは、世界で初めての取り組みとされています。
対象になるのは「SBI日本高配当株式ファンド」です。ソフトバンクグループや三菱UFJフィナンシャル・グループといった日本の主要企業に投資しているファンドで、その持ち分をトークンにして、シンガポールのデジタル資産取引所と連携して売買できるようにします。時差や日本市場の営業時間を気にせず、24時間365日いつでも取引できる点が大きな特徴です。
ただし、この最初の取り組みは、当面は海外のプロの投資家に向けたものです。今すぐ日本の私たちがスマホで買えるようになる、という話ではありません。あくまで、株をブロックチェーンで動かす仕組みの第一歩が実際に動き出した、という段階です。
それでもこのニュースが注目されているのは、株の世界が次の形に進み始めた合図だからです。世界初の一歩が日本の会社から出てきたことに、大きな意味があります。
24時間・1円から買えると、何が変わる?
株のトークン化が私たちの身近に広がると、投資のかたちは大きく3つ変わると考えられています。
1つ目は、取引できる時間の変化です。今の株取引は平日の日中に限られていますが、トークン化した株なら24時間365日いつでも売り買いできます。仕事から帰った深夜でも、休日の朝でも、自分のペースで投資と向き合えるようになります。
2つ目は、必要なお金の変化です。今は1つの銘柄を買うのに数万円かかることも珍しくありません。トークン化が進めば、1円単位という少額から株を持てるようになると言われています。お小遣いの範囲で気になる会社の株を少しずつ集める、そんな楽しみ方が現実になりそうです。
3つ目は、投資の始めやすさの変化です。実際に、証券や信託などの会社が集まって、上場企業の株を24時間365日・1円単位で取引できる仕組みを業界全体で作ろうとしています。運用開始の目標は2026年中とされていて、株を始めるときの「お金」と「時間」の壁が同時に低くなろうとしています。
これらが実現すれば、株は一部の詳しい人だけのものではなくなります。ちょっと気になる会社を応援する気持ちで、無理のない金額から始められる。株がぐっと身近な存在に変わっていくかもしれません。
気をつけたいことは?
未来にワクワクする一方で、冷静に見ておきたい点もあります。
まず、今回のSBIの取り組みは海外のプロ投資家向けが出発点で、私たちがすぐに使えるわけではありません。24時間・1円単位で買える個人向けの仕組みは、これから作られていく段階です。期待しすぎず、少しずつ形になっていく様子を見守るのがちょうどよさそうです。
そして、便利になっても株は値上がりも値下がりもする商品です。少額から気軽に始められるようになるからこそ、余ったお金の範囲で無理なく付き合う姿勢は変わりません。新しい仕組みの安心感と、投資そのもののリスクは分けて考えておきたいですね。
用語ミニ解説
- トークン化: 株や資産の持ち分を、ブロックチェーンの上で扱えるデジタルの引換券に置き換えること。
- ブロックチェーン: 取引の記録を誰が見ても改ざんしにくい形で残していく技術。株のような大切な財産の管理に向いていると言われています。
- ファンド: たくさんの人からお金を集めて、いろいろな会社の株などにまとめて投資する商品のこと。
- 上場企業: 証券取引所で株を売買できるようになっている会社のこと。
Me-Moon編集後記 🌙
株というと、少し身構えてしまう人は多いと思います。まとまったお金と難しい知識がいる、というイメージが長く続いてきました。それが1円から、しかも好きな時間に持てるようになるなら、投資との距離はずいぶん縮まりそうです。
世界初の一歩が日本の会社から出てきたのも、なんだか嬉しいニュースです。株が「応援したい会社に少しだけ関わる手段」に変わっていく未来を、のんびり楽しみに待ちたいですね🌙
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参考リンク
- 世界初の日本株式ファンドをパブリック・オンチェーン化へ — SBIホールディングス, 2026-07-15
- SBI、日本株ファンドをブロックチェーン上でトークン化|24時間取引可能に — CRYPTO TIMES, 2026-07-15
- 日本版「株式トークン」始動 24時間・1円単位で取引、2026年中にも — 日本経済新聞, 2026-07-15
