3行でわかるこの記事
- 何が起きた? Boseが約11年ぶりに有線イヤホンを出し、米国で99ドルの予約を受け付けていて、10月15日に出荷が始まる予定です。
- 重要なポイント 電池を持たずにスマホなどから電気をもらうので、充電なしでノイズキャンセリングまで使えます。
- なぜ注目? アメリカでは若い人を中心に有線イヤホンがまた売れはじめていて、Boseはその流れに合わせて戻ってきました。
はじめに
Boseで一般向けオーディオ部門のトップを務めるラザ・ハイダー氏は、10代の子どもを大学に送っていったとき、どこを見ても有線イヤホンばかりだと気づきました。Boseはそんな10代の好みをヒントに新しいイヤホンを作りました。企画から完成までは約8〜9か月で、オーディオ機器としては速い仕上がりです。
米Boseは2026年9月28日(現地時間)、USB-Cでつなぐ有線イヤホン「Bose Noise Cancelling Wired Earbuds」を発表しました。電池が入っていないのに、なぜ周りの音を消せるのか。そして手持ちのスマホで使えて、日本でも買えるのか。
ひとことで言うと
スマホに挿すだけで、充電もペアリングもなしに周りの音を抑えて聴けるBoseのイヤホンが、アメリカで99ドルで出ます。
充電いらずなのに、なぜノイキャンが効くの?
電気を、つないだスマホやパソコンからもらっているからです。イヤホン側に電池が入っていないので、周りの音を消す機能を使っても充電は要りません。ワイヤレスのイヤホンなら、ノイキャンを使うほど電池の減りが気になるところです。
Boseには昔も有線のノイキャンイヤホンがありました。QuietComfort 20という機種で、プラグの近くに小さな箱が付いていて、そこにノイキャンの回路と、micro-USBで充電する電池が入っていました。今回のイヤホンには、その箱も電池もありません。
音を消すのは、Bose独自のQuietControlという仕組みです。左右に2つずつ、合わせて4つのマイクが周りの音を拾い続け、その音を打ち消すように働きます。聴き方は3つから選べて、周りの音を抑える「Quiet」、周りの音を取り込んで駅のアナウンスなども聞こえる「Aware」、ノイキャンを切ってふつうの有線イヤホンとして使う「ANC Off」があります。
海外のレビュー記者のひとりは「持っている機器を全部充電するのに疲れることがある」と書いていました。毎晩充電するものが多い人には、ひとつ減るだけでも気が楽になるかもしれません。
USB-Cで挿したら、あとはどう使うの?
USB-Cが使えるスマホ、タブレット、パソコンに挿せば、すぐに音が出ます。Bluetoothのペアリングも専用アプリも要りません。端子は昔ながらの3.5ミリのイヤホンジャックではなく、スマホの充電口と同じUSB-Cです。
音にはBose独自の音づくりの処理が入っていて、データを間引かない高音質の音源もそのまま聴けます。入ってくる音はどんな形式でも受け付け、耳に届ける音は24bit、48kHzという、CDより少し細かい品質にそろえて鳴らします。線でつながっているので音の遅れも小さく、動画やゲームで口の動きと声がずれにくくなります。
ケーブルの途中にはリモコンがあり、カチッと押した感触のある物理ボタンで、音量、再生、通話、ノイキャンの切り替えができます。リモコンの裏には通話用のマイクがあって、服とこすれる雑音を抑えるので、リモコンを口元に持っていかなくても話せます。色は黒に青、ホワイトスモークにライムグリーンの差し色が入り、ボタンの部分も差し色です。限定色のデュードロップミントは90年代っぽい雰囲気です。
弱点もあります。リモコンは胸元に収まるものの、重さでケーブルが張って、イヤホンが耳から引っぱられます。その対策として、耳に引っかけるシリコンのウイングが付いていて、取り外しもできます。有線はコードが何かに引っかかりやすいので、抜けにくい形にしてあるのは気が利いています。
ケーブルの長さは約1.28mで、ポケットのスマホから耳までは十分に届きます。耳に入れるイヤーチップはS・M・Lの3サイズ、ウイングはM・Lの2サイズが付きます。防水はIPX4で、汗や水しぶきくらいなら平気です。ジッパー付きの持ち運びケースも付いてきます。
なぜBoseはいま有線に戻ってきたの?
Boseが新しい有線イヤホンを出すのは2015年以来、約11年ぶりです。
有線は数字の上でも売れ直しています。調査会社Circanaの調べでは、アメリカの有線ヘッドホンの売上は5年続けて減っていたのが、2025年に増加へ転じ、1年で前の年より3%増えました。2025年の後半は前の年の同じ時期より10%増え、2026年に入って最初の6週間は20%増です。3%、10%、20%と、伸びが大きくなっています。
引っぱっているのはZ世代やそれより若い人たちで、有名人が人前で有線イヤホンを着けている姿も後押ししています。一方でCircanaのアナリスト、ベン・アーノルド氏は、安くて性能の控えめなものに買い替える動きかもしれない、とみています。
ハイダー氏は「有線イヤホンは文化的なルネサンスを迎えている。戻すなら、前よりもっと良くしなければと分かっていた」と語っています。前の有線イヤホンのころから技術がずっと進んだので、その成果を詰め込んで有線イヤホンの新しい基準を作る、というのがBoseの狙いです。挿して再生ボタンを押すだけの楽しさを、多くの人が思い出しているとBoseは書いています。
99ドルは高いの?
99ドルは日本円にすると約1万5000円です。同じBoseのワイヤレスのQuietComfort Ultra Earbudsは299ドルなので、その3分の1にあたります。一方で、多くの有線イヤホンよりは高めです。同じUSB-CでつなぐAppleのEarPodsや、安くて人気のfinal E500にはノイキャンが付いていないので、その差額をノイキャンで埋める位置づけです。
効き目は、試用した段階の印象では、Boseの299ドルのワイヤレスの第2世代や、ソニーの330ドルのWF-1000XM6ほど強くはありません。それでも発売前の試作機を4日使ったレビューでは、EarPodsのような安いイヤホンより、音もノイキャンも上だと評価されています。数万円のワイヤレスと比べるより、手ごろな有線イヤホンの上位版と考えるとしっくりくるかもしれません。
買う前に何を確かめればいい?
いちばん大事なのは、手持ちのスマホで使えるかどうかです。Boseはどの機器で動くかの一覧を出しておらず、USB-Cからの音の出し方は機器によって違います。また3.5ミリのプラグがなく、電気が出るUSB-Cにつなぐ必要があるので、飛行機の座席にある映画用のイヤホン穴にはそのままではつなげないと報じられています。機内では、自分のスマホやタブレットにつないで使うことになります。
買える場所は、今のところアメリカです。発表当日から、Bose.comと家電量販店のBest Buyで、Boseの会員向けの先行予約が始まりました。出荷は発表では10月15日ですが、Boseのオンラインストアでは10月13日と表示されていました。日本での発売は、2026年9月29日の時点では明らかになっていません。
用語ミニ解説
- ノイズキャンセリング(ノイキャン): マイクで周りの音を拾い、その音を打ち消す音を出して、雑音を小さくする機能です。
- USB-C: 今のスマホやパソコンの多くが使っている、上下どちら向きでも挿せる差し込み口です。
Me-Moon編集後記 🌙
充電もペアリングも要らず、挿せば静かになるというのは、ワイヤレスに慣れた今だからこそ新鮮に感じます。電池がないぶん、何年か使っても電池がへたる心配がないのもうれしいところです。
日本で出たら、まずは自分のスマホに挿して、リモコンのボタンをカチッと押してみたいですね🌙
Me-Moonコミュニティのご案内
Me-Moon Mediaは、テクノロジーをやさしく楽しむコミュニティ「Me-Moon」が運営しています。 記事の感想や気になるニュースの話は、LINEオープンチャットでお待ちしています。
あわせて読みたい
毎日の充電を減らしたい人には、こちらの「充電いらず」も気になるはずです。
イヤホンの新しい形をもうひとつ見たい人に。
参考リンク
- Bose Unveils New Noise Cancelling Wired Earbuds — Bose(公式プレスルーム)
- Bose、約11年ぶりの有線イヤホン「Bose Noise Cancelling Wired Earbuds」 — マイナビニュース, 2026-09-29
- Bose Noise Cancelling Wired Earbuds — ギズモード・ジャパン
- Bose returns to wired headphones with new noise-cancelling $99 earbuds that connect via USB-C — Tom's Guide
- Bose just brought back wired earbuds after 11 years, blame teens — Absolute Geeks
- Bose $99 USB-C Noise Cancelling Wired Earbuds — IBTimes Australia
- List of discontinued Bose headphones — Wikipedia
