3行でわかるこの記事
- 何が起きた? Googleが2026年9月4日、Google翻訳アプリのライブ翻訳を2か所強くしました。ライブ翻訳は、目の前で話されている言葉をその場で訳し続けてくれる機能です。
- 重要なポイント iPhoneでは訳した声が受話口から流れるようになり、イヤホンがなくてもスマホを耳に当てるだけで聞けます。
- なぜ注目? 世界中のiPhoneでもう使えて、対応する言葉は70以上あるからです。
はじめに
海外の空港で、乗り継ぎの案内が天井のスピーカーから流れてくる。周りの人が急に動き出したのに、自分だけ何を言われたのか分からない。イヤホンはスーツケースの奥にしまったままで、掘り出しているうちに放送は終わってしまう。
外国語をその場で訳して、声で返してくれるアプリなら手元にあります。ただ、その声を聞くにはイヤホンかヘッドホンをつなぐ、というのがこれまでの前提でした。
そこを変えたのがGoogleです。2026年9月4日、Google翻訳を担当するプロダクトマネージャーのSasha Kapurが、Google翻訳アプリに入っているライブ翻訳という機能に2つの変更を加えたと発表しました。イヤホンなしで、訳した声はどこから聞こえてくるのか。そして自分のスマホでもう使えるのか。
ひとことで言うと
イヤホンを忘れた日でも、Google翻訳を開いてスマホを耳に当てれば、目の前で話されている外国語が日本語の声になって耳元に届きます。
イヤホンがない日、スマホを耳に当てると何が聞こえる?
変わったところの1つはiPhoneです。ライブ翻訳が訳した声を、端末の受話口から直接聞けるようになりました。受話口というのは、電話で話すときに耳を当てる、あの小さなスピーカーのことです。
聞く姿勢は、電話をとるときと同じになります。Google翻訳を開いてライブ翻訳を始め、そのままスマホを耳に当てる。それだけで、その場で話されている言葉が日本語になって聞こえてきます。耳元で鳴るので、訳した声を外のスピーカーから周りに流さずにすみます。
Googleが挙げた使いどころも、騒がしい空港での放送と、人でいっぱいのツアーで案内についていく場面でした。どちらもイヤホンを探している余裕はなく、しかも聞き逃すと困ります。ヘッドホンやイヤホンが手元にない場面でも訳した声を確かめられるようにしたのが、今回の受話口からの再生です。
しかもこの受話口からの再生は、世界中のiPhoneでもう使えます。日本で使っているiPhoneも、その世界中に入っています。
ポケットに入れたままでも、ライブ翻訳は止まらない?
もう1つの変更はAndroid版です。ライブ翻訳がバックグラウンドで続くようになりました。バックグラウンドというのは、そのアプリを画面に出していない間も裏で動き続けている状態のことです。翻訳を始めてからほかのアプリに切り替えても、ホーム画面に戻っても、画面をロックしてポケットに入れても、訳は途切れません。
Googleがこの変更の理由に挙げたのは、使われ方の数字でした。ライブ翻訳を始めた回のうち、3回に1回より多くが5分を超えて続いていたのです。5分あれば、ひと言ふた言のやりとりはとっくに終わっています。その間ずっとアプリを画面に出したまま、スマホを手に持ち続けることになっていました。
始めるのに、何を用意すればいい?
用意するものは少なくてすみます。Androidの場合、必要なのはスマートフォンかタブレットと、最新の状態にしたGoogle翻訳アプリだけです。ヘッドホンは任意で、つないでもつながなくても使えます。
始め方は、アプリを開いて画面の下部にあるライブ翻訳アイコンを押すだけです。iPhoneでも流れは同じで、アプリを開いてライブ翻訳を押します。ヘッドホンで聞きたいときは、そこでつなぎます。
そこから選ぶモードは4つあります。Androidの画面で言うと、リスニングを選べば、ヘッドホンをつないでもスマホを耳に当てても、訳がその場で聞こえてきます。会話は、スピーカーかヘッドホンから訳が流れ、自分と相手が交互に話して使います。テキストのみは音声を出さず、訳を文字で読むだけにできます。4つ目のカスタム設定は、名前のとおり自分好みに決める形です。
途中で止めたくなったら、話すアイコンを押せば一時停止と再開ができます。終わるときは画面の上部にある戻るアイコンを押します。聞き逃したところは、画面に出ている文字の好きな部分を押せば、そこだけもう一度声で読んでくれます。
対応する言語は70以上あって、訳は話しているそばから返ってきます。英語のほかに学校で名前を聞く外国語は、数えるほどしかありません。70というのは、その10倍を超える数の言葉が最初からアプリの中に入っている、ということです。
まだできないことは?
耳に当てて聞くほうはiPhoneでももう使えますが、翻訳を裏で動かし続けるほうは9月4日の時点ではAndroidだけです。iPhone版への対応は、今後の予定になっています。
ただ、この機能はまだ生まれて1年も経っていません。2025年12月に、米国、メキシコ、インドの3か国でAndroid版のベータとして始まりました。ベータは、正式に配る前にまず一部の人へ届けて試してもらう段階のことです。そこから2026年3月にiPhoneへ広がり、日本もそのとき対象に入りました。フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、タイ、イギリスも同じタイミングです。
日本で使えるようになって半年たたないうちに、イヤホンなしという次の一歩が乗ってきました。この足取りなら、iPhoneが裏で翻訳を続けられる日もそう遠くないのかもしれません。
誰が何を言ったのか、訳された声でも分かる?
ライブ翻訳の声は、Googleが作っているAIのGeminiが持つ音声翻訳の仕組みで作られています。機械の読み上げのように平らな声になるのではなく、話した人の声の調子や抑揚、リズムを残したまま訳してくれます。
声の調子が残っていれば、何人かが話している場所でも、今のは誰の言葉だったのかを追いかけやすくなります。誰が何を話しているのかをつかみやすくすることは、ライブ翻訳がもともと狙っていたことのひとつでした。
話されている言語が途中で切り替わっても、マイクが自動で気づいて追いかけます。向かい合って話すときは、対面モードのアイコンもあります。押すと画面が2つに分かれて、自分の言葉と相手の言葉が、それぞれ文字起こしと訳で並びます。文字起こしというのは、話した言葉をそのまま文字にしたものです。
Googleが思い描く場面も、旅先でおすすめを教えてもらう、電車の案内を聞き取る、その場で出会った人と話す、といったところでした。イヤホンを持っていない日でも、スマホ1台で外国語だらけの場所を切り抜けられます。
用語ミニ解説
- ライブ翻訳: Google翻訳アプリの機能で、目の前で話されている言葉をその場で訳し続けてくれます。
- Gemini: Googleが作っているAI。人の言葉を聞き取ったり、声で返したりできます。ライブ翻訳が返してくる声は、この仕組みが作っています。
Me-Moon編集後記 🌙
機械の通訳というと、平らな声で棒読みされる場面を思い浮かべていました。声の調子まで持ってきてくれるなら、訳された言葉でも相手の顔が見えてきそうです。
日本にいても、外国語で話しかけられて固まることはあります。次にその場面が来たら、スマホを耳に当ててみたいですね🌙
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同じ同時通訳を、ヘッドホンの側から実現しようとしている話です。
参考リンク
- Google Translate rolls out iOS and Android upgrades — Google The Keyword, 2026年9月4日
- Google 翻訳、Androidは画面ロック中もライブ翻訳 iPhoneは受話口から再生 — ケータイ Watch, 2026年9月8日
- Android/iOS「ライブ翻訳」2つのアップデート展開 — Jetstream, 2026年9月5日
- Transform your headphones into a live personal translator on iOS. — Google The Keyword, 2026年3月26日
