キリンのLumenは息を吐いて約30秒。体が脂肪と糖のどちらを使っているかわかる。9月30日からMakuakeで34,800円〜

キリンのLumenは息を吐いて約30秒。体が脂肪と糖のどちらを使っているかわかる。9月30日からMakuakeで34,800円〜

3行でわかるこの記事

  • 何が起きた? キリンホールディングスが、息を吐いて代謝の状態を測るデバイスLumenを、2026年9月30日からMakuakeで先行販売すると発表しました。
  • 重要なポイント 吸って約10秒止めてゆっくり吐くだけの約30秒で、いま糖質と脂質のどちらを主に使っているかが1から5のレベルで表示されます。
  • なぜ注目? 先行販売は本体とアプリ1年分がついて34,800円からですが、一般販売では本体45,800円にアプリの利用料が別でかかる予定です。

はじめに

2026年9月15日、東京都中野区のキリングループ本社で記者発表会が開かれました。ゲストのモデル、福田萌子さんが手に取ったのは、パイプのような形をした小さな機械です。先端を口にくわえて息を吸い、約10秒止めて、ゆっくり吐き出します。事前に少しだけ食事をとった状態での結果は、糖質と脂質をバランスよく燃やしていることを示すレベル3でした。

体重計は、昨日までの結果を教えてくれます。スマートウォッチは、今日どれだけ動いたかを教えてくれます。でも、いま体の中で何が使われているのかは、どちらにも出てきません。キリンはその空いているところに、この機械を置こうとしています。

名前はLumen(ルーメン)といいます。キリンは飲む、食べるで健康に関わってきた会社で、電気で塩味を強める食器エレキソルトのようなデバイスも手がけてきましたが、今度は測る、知るという入り口で体の中を見にきました。息を吐くだけで本当にわかるのか、そして手を出せる値段なのか。順に見ていきます。

ひとことで言うと

朝に30秒ほど息を吐くと、いま自分の体が脂肪と糖のどちらを主に使っているかが、1から5の数字で出ます。毎日それを見ていくと、昨日の食事や運動が自分の体にどう出たのかを、自分で確かめられます。

息はどう吐けばいいの? 吸って10秒止めて、ゆっくり吐くだけの約30秒

使い方は単純です。パイプのような本体の先端を口にくわえ、デバイスから息を吸い、約10秒間息を止めてから、ゆっくり吐き出します。その間はスマホの専用アプリが次に何をするかを順に案内してくれて、ひと通り終わるまでが約30秒です。

測るのにかかる時間は毎朝1分ほどで、朝の歯みがきと同じくらいの長さです。

本体は高さ約102ミリ、幅42ミリ、奥行32ミリで、重さは約75グラムです。手のひらに収まる大きさで、スマホの半分もない軽さです。中には息の中の二酸化炭素を測るセンサーのほかに、息の速さ、圧力、温度を見るセンサーも入っています。

使うには専用アプリの登録が必要で、iPhoneでもAndroidでも動きます。スマホとは無線でつながり、本体はUSBで充電します。付属品は、置いておくための台と充電ケーブル、持ち運び用のポーチ、それに取扱説明書です。

出てくる数字は何を意味するの? 1から5のレベルで、脂質寄りか糖質寄りかがわかる

息でわかる理屈は、そんなに複雑ではありません。体の中で糖質をエネルギーとして燃やすときは、脂肪を使うときよりも、吐く息に二酸化炭素が多く含まれます。だから息の中の二酸化炭素を見れば、いまどちらを多く使っているかの見当がつきます。

結果は、息の中の二酸化炭素の濃度などをもとに、Lumen Levelという1から5の独自の指標で出ます。糖質を主に使っていればレベル4から5、脂質を使っていればレベル1から2です。数字が大きいほど良いという指標ではなく、いま体がどちら寄りかを示す目盛りです。

公開されたアプリの画面では、レベル1のときに脂肪燃焼状態にありますと表示され、脂質85パーセント、糖質15パーセントという内訳まで出ていました。どちら寄りかだけでなく、どのくらいの割合で使っているのかまで見えます。

この割合は、同じ人でもずっと同じではありません。糖質を含む食事のあとは糖質を使う割合が高くなり、おなかが空いているときは脂質を使う割合が高くなります。測るたびに数字が動くのは、そのためです。

どちらが良い悪いという話でもありません。短距離走のように素早く動くには糖質燃焼が、マラソンのように長く動き続けるには脂肪燃焼が向いています。糖質は即効性のあるエネルギー、脂質は持続するエネルギーで、食事や運動の状況に応じてエネルギー源を切り替えられる、ハイブリッド車のような柔軟さを保つことが健康を保つうえでは大事になります。

その切り替える力を見る数字が、画面にもうひとつあるFlex Scoreです。脂肪と糖質を切り替える力、つまり代謝の柔軟さを表すもので、例として出ていた画面では13.0で中程度の柔軟性と判定されていました。

本当に信用していいの? 論文が2本あり、世界で30万人以上が使っている

この測定技術は、サンフランシスコ州立大学との共同研究で、研究用の代謝測定装置による結果と比べる検証が行われていて、査読付きの学術論文としても報告されています。挙げられているのは、2021年に健康な若い成人で装置そのものの妥当性を確かめた論文と、2023年に炭水化物の少ない食事と多い食事への反応を見た論文の2本です。

新しい機械でもありません。Lumenは2018年に米国のクラウドファンディングで発表され、そのときは9,731人が支援して総額およそ235万ドルを集めました。その後世界に広がり、これまでに累計30万人以上が使い、1億回以上の呼吸データがたまっています。

開発したのは米国のMeta Flowという会社で、キリンは2023年に出資し、その後の協業を経て国内の独占販売権を取りました。キリンはこれまで約50社のスタートアップに出資してきましたが、出資先との協業が本格的な事業になるのはLumenが初めてです。2019年に始めた健康の事業は2025年に黒字になり、2035年にはこの領域で売上収益5000億円を目指しています。

ただし、この製品は医療機器ではなく、病気の診断や治療、予防を目的としたものではありません。体調を判定してくれる機械ではなく、今日の自分の傾向を見るための道具です。

いくらで、いつから買えるの? 9月30日10時からMakuakeで34,800円から

先行販売は、応援購入サービスのMakuakeで行われます。期間は2026年9月30日水曜の10時から、11月13日金曜の22時までです。プロジェクトのページはまだ公開前で、毎日の健康習慣、呼吸で答え合わせ、というコピーだけが掲げられています。

価格は34,800円から49,800円(税込)で、本体と1年間のアプリ利用料が含まれます。幅があるのは、割引率と台数の違う4つのプランに分かれているからです。いちばん安いのは40パーセント引きの24時間割で300台限定、以下、31パーセント引きの超早割が200台、22パーセント引きの早割が550台、14パーセント引きのMakuake割が650台と続きます。24時間割は9月30日10時から翌10月1日の朝9時59分までなので、狙うなら初日です。届くのは2026年12月末までの予定です。

ここで見落としたくないのが、一般販売との差です。一般販売の予定価格は本体45,800円(税込)で、これとは別にアプリの利用料が月額1,180円(税込)または年額12,000円(税込)かかります。本体を買って終わりではなく、使い続けるかぎりアプリ代がかかる製品です。

1年で並べると差がはっきりします。先行の最安34,800円は1年分のアプリ込みで、一般販売で同じ1年を使うと45,800円に12,000円を足して57,800円です。差は23,000円です。

ただし一般販売がいつ始まるかはまだ決まっていません。先行販売の結果を見たうえでの検討で、早ければ2027年内の開始を視野に入れている段階です。キリンは先行販売で買った人の反応や行動データの変化を確かめながら、発売から1年で5000台の販売を目標にしています。

毎日測ると、何が変わるの? 食べ過ぎた翌日と節制した日で、数字は動く

この製品は1回測って終わりではありません。アプリでは測定の履歴や日々の記録から、食事や運動といった行動と代謝の状態の傾向を振り返れます。あれを食べた翌朝はこうだった、という並びが自分の手元にたまっていきます。

数字を出すだけでもありません。測られた代謝の傾向に合わせて、食事のバランスや運動のタイミングを提案してくれます。ヘルスケアのアプリやスマートリングなど約30の外部サービスともデータをつなげるので、すでに何か身につけている人はそこに足すかたちで使えます。

国内で先に試した人は、食べ過ぎた翌日は糖質燃焼の状態に、節制した日は脂肪燃焼の状態にスコアが変わり、本当に自分の代謝を反映していると驚いていました。キリンはアプリの中で、起きたときの息は一時の状態ではなく過去24時間の選択を反映している、と説明しています。

背景には、2024年の国民健康・栄養調査で20代から60代の男性の肥満の割合が34.0パーセント、つまりおよそ3人に1人で、運動の習慣がある人の割合が31.3パーセントだったという数字があります。健康のために何をすべきかわかっていても、自分に合っているかの手応えがないから続かない。そこで行動に対する体の反応を見えるようにして、なんとなくの健康行動を納得して続ける健康行動に変えたい、というのがキリンの技術士、金子裕司さんが語った狙いです。

用語ミニ解説

  • Lumen Level: 息の中の二酸化炭素などから、いま糖質と脂質のどちらを主に使っているかを1から5で示す独自の指標です。
  • Flex Score: 脂肪と糖質を切り替える力、つまり代謝の柔軟さを数値で示す指標です。
  • Makuake: 発売前の製品を先に買って応援できるサービスです。今回は一般販売より安い価格と台数の限定がついています。

Me-Moon編集後記 🌙

体重計に乗っても、昨日の自分が何を燃やしていたかまでは出てきません。息を30秒吐くだけで、前の日の選択が翌朝の数字に出るというのは、ちょっと見てみたい気がします。

レベル1なら脂肪を、4や5なら糖質を主に燃やしています。もし手元にあったら、明日の朝いちばんの自分の息は何番なのか、試してみたくなりますね🌙

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参考リンク

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小宮 滉

監修者

小宮 滉

コインチェック株式会社を経て、現在はGUILD株式会社および一般社団法人Web3人材マネジメント協会の代表理事を務める。

Web3・仮想通貨分野では、「NGG(NinjaGuild_Japan)」というコミュニティの運営や、「IVS Crypto THE DEMODAY」MetaMeトラックでの優勝など、多くの実績を有する。

また、AI・ブロックチェーン開発を強みとしたDXサービスを提供し、企業の成長を支援します。AI・ブロックチェーン技術との統合を通じて、DX体験をシームレスに実現し、ユーザーと企業の双方に新たな価値を創出することを目指して、開発支援やマーケティングを行っております。

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