ヤマハ「Piano Sheet Converter」、音源から約3分でピアノ譜。10月末まで有料機能も無料

ヤマハ「Piano Sheet Converter」、音源から約3分でピアノ譜。10月末まで有料機能も無料

3行でわかるこの記事

  • 何が起きた? ヤマハが2026年9月11日、音源ファイルを読み込むだけでピアノ譜を自動で作るパソコン用アプリ「Piano Sheet Converter」のβ版を公開しました。
  • 重要なポイント 標準的な曲なら約3分で楽譜になり、難易度は入門から上級までの4段階から選べます。
  • なぜ注目? 10月末までのβ期間は、ふだん月額1,980円の有料プランの機能も無料で使えるからです。

はじめに

ねえ、ヤマハのアプリに好きな曲の音源を入れると、3分くらいでピアノの楽譜にしてくれるらしいよ。しかも今月末までは、有料の機能まで全部タダで使えるんだって。そう聞いたら、ちょっと試したくなりませんか。

使い方はシンプルです。画面上の「新規作成」から「ファイル選択」を押して曲のファイルを読み込み、設定を決めて確定します。実際に試した人の例では、3分もかからないうちに楽譜が出てきました。上の再生ボタンを押すと、その譜面がピアノの音で鳴りだします。

このアプリが、ヤマハの「Piano Sheet Converter」です。本当にそんなに手軽なのか、無料のうちに何ができて何に気をつければいいのか。順番に見ていきます。

ひとことで言うと

手持ちの曲のファイルを入れると、自分のレベルに合ったピアノの楽譜を数分で作ってくれるアプリです。今月末までは有料の機能も含めて無料で試せます。

音源を入れるだけで、本当に3分でピアノ譜になるの?

Piano Sheet Converterは、ヤマハが新しい事業として開発を進めているアプリです。パソコンに入れて起動し、手持ちの音源ファイルを読み込めば、あとは自動でピアノ譜ができあがります。操作に音楽の専門知識はいりません。標準的な曲なら約3分で楽譜になり、カップ麺ができるのを待つくらいの時間で済みます。

読み込めるのはWAV、FLAC、MP3、AAC、M4A、OGGといった、ふだん目にする音楽ファイルの形式です。ただしApple Musicのような聴き放題サービスの曲は読み込めず、自分で買った曲のファイルが対象になります。

できた譜面はピアノの音で鳴らせるので、耳で聴いてすぐに中身を確かめられます。試した例では、メロディーはほとんど正確に楽譜になっていて、ところどころ音が抜けていても直すのは比較的かんたんでした。自分で作った曲を読み込ませたら、コード(和音)の読み取りがすべて合っていたという例もあります。

同じ曲から、どんな楽譜を作り分けられる?

楽譜にするときは、難易度を入門、初級、中級、上級の4段階から選びます。同じ音源から、始めたばかりの人向けの譜面も、弾ける人向けの譜面も作れます。難易度を変えると、音の数などがそれに合わせて調整されます。

調(曲の高さ)は「おまかせ」「簡単キー」「原曲キー」から選べます。とにかくやさしい譜面にしたいときは「簡単キー」を選ぶと、弾きやすい高さに移した譜面ができます。長さは曲全体の「フル」か、1番だけの「1コーラス」を選べます。

スタイルは「ソロ譜」と「伴奏譜」の2つです。ソロ譜は左手がコード中心になりやすく、伴奏譜はリズムやベースの動きがより感じられる譜面になる傾向があります。ただ伴奏譜はまだ開発中の機能で、「入門」レベルは選べず、精度もソロ譜より低めです。

できた楽譜はアプリの中で音を直せて、完成したらPDF、MIDI、MusicXMLの形式で書き出せます。PDFなら印刷して譜面台に置けますし、MIDIやMusicXMLならほかの楽譜作成ソフトでも開けるので、続きの手直しを使い慣れたソフトでできます。

ヤマハはなぜこのアプリを作ったの?

出発点は、「弾きたい曲があるのに楽譜が見つからない」「売っている楽譜のレベルが自分には合っていない」といった、演奏する人の悩みです。特にポップスやジャズでは、自分で音を聴き取って楽譜に書き起こす、いわゆる耳コピが必要になる場面が多くあります。ヤマハは、その耳コピや楽譜作りにかかる時間を減らして、演奏や創作に使える時間を増やすことを目指しています。

楽譜が売られていない曲や、原曲を自分のレベルに合わせて弾きたいときに役立ちそうです。開発では、国内外のピアノの先生や音楽好きの人たちにモニターテストや聞き取りをしながら改善を重ねてきました。

ヤマハにとって、音から楽譜を作る技術は初めてではありません。以前、電子ピアノ「CSPシリーズ」に、スマホやタブレットに入れた曲から演奏用の楽譜を作る「オーディオ・トゥー・スコア機能」を載せていました。曲のコード進行を読み取り、40種類ある伴奏用のピアノ譜を数秒で作るものです。当時の開発者は、この機能を世界初としながらも、技術を目立たせずにお客さんに楽しんでもらうことを優先したと話していました。

さらにヤマハは、ほかの会社が自分たちのサービスに組み込めるよう、音楽の技術を6種類提供する仕組みも始めていました。曲からボーカルやギター、ドラムの音を分ける技術や、演奏データを楽譜データに変える技術、初心者向けから上級者向けまで編曲し分ける技術が含まれています。今回のアプリの4段階の作り分けにも、こうした積み重ねが生きているのかもしれません。

10月末まで無料って、ふだんはいくらかかるの?

料金プランは「Free」と、月額1,980円の「ADVANCED」の2つです。Freeは登録なしで使えますが、楽譜にできるのは月5回まで、保存できる楽譜は5ファイルまでで、書き出しは使えません。ADVANCEDなら楽譜化を何回でも使え、アプリ内での編集や書き出しを含めたすべての機能が使えます。

今は10月末までの予定のβ期間で、そのADVANCEDの機能も無料で開放されています。正式版で有料にする予定の機能も含めて、すべて無料です。ただしβ期間は予告なく変わる可能性もあります。

正式版になっても、楽譜にする機能そのものは無料のまま使え、書き出しなど一部の機能が有料になる予定です。

使う前に気をつけることは?

今使えるのはパソコン版だけで、公式サイトからダウンロードします。WindowsはWindows 10か11の64bit版、MacはmacOS 13 Ventura以降で、M1、M2、M3といったApple製のチップを積んだ機種が条件です。正式版はWindowsとMac向けが2026年秋ごろ、iPhoneとAndroid向けのスマホアプリは2027年春ごろに出る予定です。

作った楽譜は個人で楽しむ範囲でしか使えず、販売するなどの商用利用はできません。また、ヨーロッパの国々など、個人データを守る法律であるGDPRが適用される地域では使えません。

仕上がりにも癖があります。β版の今はポップスの曲がいちばん精度が高く、動作に一部不具合が出る可能性もあります。楽器がたくさん重なった完成した曲だと精度が落ちたという例もあります。同じような条件でも、かなりよい結果が出るときと、直すところが多いときがあり、出来にはばらつきがあります。

それでも、使った人の感想は「100%の完成度ではありませんが、6~8割くらいの土台を、かなり簡単に作ることができました」というものでした。耳コピで一から書き起こすことを思えば、残りの2〜4割を自分で直すだけで済むのは大きいかもしれません。ヤマハはβ版を使った人から、便利だった点や欲しい機能などの意見を募っています。

用語ミニ解説

  • MIDI: 音そのものではなく、どの音をいつ、どのくらいの強さで鳴らすかを記録した演奏データの形式です。音楽ソフトの間でやり取りするのによく使われます。
  • MusicXML: 楽譜の中身をデータとして保存する形式です。いろいろな楽譜作成ソフトで開けるので、別のソフトで続きを編集できます。
  • β版: 正式に出す前に、使った人の意見を集めながら手直しを続ける試し版のことです。

Me-Moon編集後記 🌙

ヤマハが電子ピアノに載せていた、音を楽譜にする技術が、パソコンで手軽に使えるアプリになりました。完璧な譜面でなくても、弾きたかった曲の土台が数分で手に入るのはうれしいですね。

有料の機能まで無料で使えるのは10月末までの予定です。手持ちの1曲を読み込んで、入門と上級で譜面がどう変わるか聴き比べるだけでも楽しそうですね🌙

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参考リンク

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小宮 滉

監修者

小宮 滉

コインチェック株式会社を経て、現在はGUILD株式会社および一般社団法人Web3人材マネジメント協会の代表理事を務める。

Web3・仮想通貨分野では、「NGG(NinjaGuild_Japan)」というコミュニティの運営や、「IVS Crypto THE DEMODAY」MetaMeトラックでの優勝など、多くの実績を有する。

また、AI・ブロックチェーン開発を強みとしたDXサービスを提供し、企業の成長を支援します。AI・ブロックチェーン技術との統合を通じて、DX体験をシームレスに実現し、ユーザーと企業の双方に新たな価値を創出することを目指して、開発支援やマーケティングを行っております。

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