3行でわかるこの記事
- 何が起きた? 2026年10月20日の11時以降、モバイルSuicaのアプリにコード決済「teppay」が順次加わります。
- 重要なポイント 本人確認をすればSuicaの上限2万円を超えて最大30万円まで払えて、家族や友達に残高を送ることもできます。
- なぜ注目? 新しいアプリを入れなくても、いま持っているモバイルSuicaのアプリにそのまま付くからです。
はじめに
2026年10月7日から、駅に新しいポスターが貼られています。河合優実さんとシソンヌの長谷川忍さんが出ていて、キャッチコピーは「じゃ、こっちのpayでよくない?」です。
その「こっちのpay」は、新しく入れるアプリではありません。いつも改札で使っているモバイルSuicaのアプリに、ある日そのまま付いてきます。
JR東日本のコード決済「teppay」が、2026年10月20日の11時以降、順次始まります。Suicaでは払えなかった2万円を超える買い物は、どうやって払うのか。友達にお金を送るのは、どれくらい手軽なのか。始まる前に見ていきます。
ひとことで言うと
いつものモバイルSuicaのアプリのままで、高い買い物も、家族や友達とのお金の受け渡しもできるようになります。
10月20日から、モバイルSuicaのアプリに何が起きる?
teppayは、モバイルSuicaのアプリの中で使うコード決済です。コード決済というのは、お店のレジでスマホにバーコードやQRコードを出して読んでもらうか、お店に置いてあるQRコードを自分のスマホで読み取って払う方法のことです。改札のようにピッとかざすSuicaとは、払い方そのものが違います。
teppayは独立したアプリではなく、AndroidでもiPhoneでも、Suicaのアプリに機能として追加されます。いま約4,500万枚以上発行されているモバイルSuicaのアプリを使っている人には、teppayの機能が自動で付きます。4,500万は、日本の人口の3分の1を超える数です。
始め方は、モバイルSuicaのアプリにログインして、teppayのアイコンを押すだけです。画面がteppay用に切り替わるので、「はじめる」を押してチャージ方法を選び、登録します。使うにはモバイルSuicaの会員登録が必要で、改定されたSuicaの利用規約と、新しくできる「teppay会員規約」への同意も求められます。アプリをまだ持っていない人も、App StoreやGoogle Playから無料で入れられます。
JR東日本はteppayを、2028年度に出す予定の「Suicaアプリ(仮称)」の一部を先に体験してもらうものと位置づけています。最初のきっかけは、JRE POINTを貯めて使える場面を広げることだとされています。さらに2030年代半ばには「スマホ改札(仮称)」という新しい改札も予定されています。Suicaのアプリは、電車に乗るための道具から、毎日のお金をまとめて扱う場所へ変わっていくのかもしれません。
2万円より高い買い物は、どうやって払う?
これまでのSuicaは、カードやスマホの中に残高を持つ仕組みで、上限が2万円でした。teppayは残高をJR東日本の側のコンピューター(サーバー)で預かる仕組みなので、スマホの中の上限にしばられません。
マイナンバーカードで本人確認をすると、teppay残高で最大30万円まで払えます。2万円の15倍です。ホテルや百貨店、家電量販店での、これまでSuicaでは払いきれなかった買い物も、ひとつのアプリで払える範囲に入ってきます。
もうひとつの払い方が「ビューカード連携支払い」です。ビューカードはJR東日本グループのクレジットカードで、teppayに紐付けておくと、前もってチャージしなくてもカードの利用限度額まで払えます。ただ、teppay残高やteppayポイント、バリチケ、商品券とは一緒に使えないので、1回の支払いではどちらかを選ぶことになります。
teppay残高にお金を入れる方法は、ビューカード、銀行などの金融機関、それにセブン銀行やローソン銀行のATMでの現金です。クレジットカードを持っていなくても、コンビニのATMで現金を入れれば使えます。チャージはteppayの画面で「入金」を押し、金額とチャージ元を選ぶ流れで、そのときにSMS認証や本人確認が必要になります。
友達やモバイルPASMOの人に、残高はどうやって送る?
ここが、これまでのSuicaにはできなかったところです。teppayの残高は、割り勘やおこづかいのような場面で、家族や友達とのあいだで受け渡しできます。
送るときは、teppayの画面の「残高を送る・受け取る」から相手を指定します。受け取る側が電話番号かteppay IDを伝えれば、そこへ送れます。その場にいる相手なら、送る金額を入れて送付用のQRコードを作り、相手のスマホで読み取ってもらう方法もあります。離れている相手には、送付用のリンクを作ってコピーし、メッセージで渡せます。
反対に、立て替えた分を「払って」と頼むこともできます。請求したい金額を入れると請求用のQRコードやリンクが作れるので、割り勘をあとで集めるときに使えそうです。送られてきた残高を自動で受け取る設定もあります。電話番号で自分を探されたくない人は、「自分を電話番号で検索可能にする」をオフにしておけば、電話番号では見つかりません。送れるのはteppay残高だけで、ポイントは送れません。
モバイルPASMOを使っている友達とも、やりとりできるようになります。2027年春にJR東日本がパスモと提携して、モバイルPASMOでもteppayが始まる予定です。そこからは、相手がSuicaのアプリかPASMOのアプリかを気にせず、残高を送ったり受け取ったりできます。
受け取った残高は、電車やバスに乗るための残高にチャージできます。JR東日本が使い方の例に挙げているのは、子どもに交通費を渡す場面です。
どこで使えて、いつものSuicaとは何が違う?
使える場所は、街の店、エキナカや駅ビル、ネットの買い物、モバイルSuica定期券の購入などです。駅まわりなら、ルミネやアトレのような駅ナカのショッピングセンターや、ニューデイズなどのコンビニでも使えます。
駅の外では、JR東日本グループの商業施設やteppayマークのある店に加えて、Smart Codeというマークがある店でも使えます。その数は、2026年3月末の時点で全国170万か所以上です。ビックカメラは初日の10月20日から店舗で対応します(通販サイトは対象外です)。ほかにも、70万か所が加わる支払いサービスや、120万台を超えるお店の支払い機械とつながる会社が、teppayを扱うと決めています。
使える店が増えやすい工夫もあります。お店はQRコードを置くだけでteppayを始められる方式を選べて、2027年3月31日までに申し込めば、契約日から最大12か月後の月末まで手数料が無料になります。ふだんの手数料は売り上げの1.9%で、1,000円の売り上げなら19円です。いまは個人店だとコード決済はPayPayだけという店も少なくないので、そこにteppayがどこまで並ぶかが見どころです。
いつものSuicaとの違いで、いちばん気をつけたいのは残高が2つに分かれることです。teppay残高と、電車やバスに乗るための交通系IC残高は別のものとして扱われます。teppay残高のままでは改札を通れないので、乗る前に交通系IC残高へチャージしておく必要があります。teppay残高から交通系IC残高へは移せますが、反対向きには移せません。
使える店も同じではありません。Suicaのタッチ払いが使える店と、teppayが使える店は別々です。とはいえ、全国約235万店舗以上ある交通系電子マネーの加盟店では、これまでどおりタッチで払えます。いつもの店ではピッと払い、2万円を超える買い物ではteppayを使う、という使い分けになりそうです。
ネットの買い物にも使えます。アプリの中で「teppay JCBプリカ」というネット用のプリペイドカードを発行すると、teppay残高を国内のJCB加盟店でのネットの支払いに使えます。
ポイントやキャンペーンで、どれくらい得をする?
ふだんのポイントは払い方で変わります。teppay残高で払うと0.5%分のteppayポイント、ビューカード連携支払いだと1%分のJRE POINTが付きます。1万円の買い物なら、残高払いで50ポイント、ビューカード連携なら100ポイントです。teppayポイントはJRE POINTに交換できるので、最後はひとつにまとめられます。
始まってすぐの時期には、キャンペーンが重なります。2026年11月4日から12月25日まで、エントリーしてteppayで500円(税込)以上払うと、20%分のteppayポイント(期間限定)がもらえます。500円の買い物なら100ポイントで、上限は1人5,000ポイントなので、2万5,000円分払うと上限に届きます。
teppay残高でモバイルSuicaの通学定期券を新しく買うか継続すると、2,000teppayポイント(期間限定)がもらえます。ビューカードからのチャージと連携支払いの合計が2万円以上になった人で総額1億ポイントを山分けする企画や、ビューカード スタンダードやゴールドに新しく入会してteppayで使うと10%還元(上限5,000ポイント)が付く特典もあります。
家電を買う予定がある人には、ビックカメラの企画も気になるところです。ビックカメラSuicaカードをteppayに紐付けて、ビックカメラで2万円以上買うと、最大15%のビックポイントがもらえるキャンペーンが予定されています。この先は、自治体のプレミアム商品券などに使える「地域限定バリュー(バリチケ)」にも広げる予定です。
用語ミニ解説
- teppay: JR東日本のコード決済です。モバイルSuicaのアプリの中に機能として加わります。
- ビューカード: JR東日本グループのクレジットカードです。teppayに紐付けると、チャージせずに払えます。
- JRE POINT: JR東日本グループのポイントです。teppayで付くteppayポイントも、こちらに交換できます。
Me-Moon編集後記 🌙
ずっと「2万円まで」が当たり前だったSuicaで、30万円の買い物も、友達への送金もできるようになるのは大きな変化です。それが新しいアプリではなく、毎日改札で使っているアプリに付くのがうれしいところです。
割り勘の集金も、子どもへの交通費も、同じアプリの中で済むようになります。10月20日の11時を過ぎたら、アプリに増えたteppayのアイコンをまず1回押してみたくなりますね🌙
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スマホの中の「残高」を人とやりとりする、もうひとつの新しい形です。
参考リンク
- teppayとは — teppay公式サイト(JR東日本)
- teppayをはじめる — teppay公式サイト(JR東日本)
- チャージ方法 — teppay公式サイト(JR東日本)
- 残高を送る/受け取る方法 — teppay公式サイト(JR東日本)
- 支払い — teppay公式サイト(JR東日本)
- teppayのサービス開始に関する記事 — Impress Watch
- teppayの広告展開と残高の受け渡しに関する記事 — トラベル Watch
- 鈴木淳也のPay Attention(teppay) — Impress Watch
- teppayのサービス開始に関する記事 — Jetstream BLOG, 2026-10-06
