3行でわかるこの記事
- 何が起きた? iOS 27の写真アプリに「空間リフレーム」が入り、撮ったあとの写真を、カメラの位置を動かしたように構図を変えられるようになりました。
- 重要なポイント 写真を開いて編集から「リフレーム」を選び、指でドラッグするだけで構図が変わり、足りない背景はAIが描き足します。
- なぜ注目? カメラを向けた方向は撮ったあとに変えられない、という写真の常識をiPhoneの標準アプリが追加料金なしで崩したからです。
はじめに
斜め前を向いて写っている人の写真があります。iOS 27を試したある編集部がこの1枚を写真アプリで開いて指を動かしたところ、写っていた編集部員の中橋さんが、少し正面寄りを向いた写真に変わりました。試した人たちも、仕上がりがかなり自然なことに驚いています。
カメラを向けた方向は、撮ったあとではどうにもならない。写真を撮る人なら誰でもそう思ってきたはずです。旅先で珍しい列車に出会って、先頭車両を画面いっぱいに入れるか、後ろの車両まで入るように角度を変えるか迷っても、シャッターを切れるのは一度きりでした。
その迷いをあとから少し直せるのが、2026年9月15日に公開されたiOS 27の写真アプリに入った「空間リフレーム」です。どうやって動かすのか、そして自分のiPhoneで使えるのか。この2つを順に見ていきます。
ひとことで言うと
撮り終わった写真を、あとから「もう少し右から撮ればよかった」という角度に指で動かして直せる機能です。
撮った後で「カメラ位置を動かす」って、何ができるの?
空間リフレームは、写真の構図を撮影後に直すための機能です。ふつうのトリミングは写真の一部を切り取るだけですが、空間リフレームはカメラの立ち位置そのものを仮想的に動かします。横にずれた、少し上から見た、という視点の違いを写真の中で作り直すイメージです。
視点を動かすと、元の写真には写っていなかった部分が見えてきます。その足りない背景は、構図を決めたあとにAIが生成して埋めます。新しく描くのは視点が変わったところだけで、元の景色と食い違わないように整えるとAppleは説明しています。
この仕組みは、Apple Vision Pro(頭にかけるAppleのゴーグル型端末)で積み上げてきた、空間の奥行きをとらえる技術がもとになっています。そこに、写真から不要なものを消すクリーンアップと、画像の外側を広げる拡張ツールを組み合わせて生まれました。処理は、iPhoneの中で空間をとらえる部分と、ネットの向こうのサーバーで画像を描く部分を組み合わせて行います。
どうやるの? 写真アプリの「ツール」から「リフレーム」を選んでドラッグするだけ
まず写真アプリで直したい写真を開き、「i」ボタンの右隣にある編集ボタンをタップします。続けて「ツール」、そして「リフレーム」をタップします。2026年6月のWWDC26で紹介されたときは、写真を選んで「リフレーミング」をタップすると画像の分析が始まる流れでした。配信版では、画面の表記が「リフレーム」になっています。
タップしてから数秒待つと、視点を調整するモードに入ります。ここからは写真をドラッグするだけです。1本指で動かすと視点が上下左右に動き、2本指では被写体を動かしたり、拡大・縮小や回転をしたりできます。その場でカメラの位置を変えているような感覚で、動かした結果はすぐ画面に映ります。
指をぐりぐり動かして細かく詰めていくと、元の写真の枠の外に回り込んだ部分はぼかした状態で表示されます。見た目は途中でも、その部分もあとでまとめて描き足されるので気にしなくて大丈夫です。
画角が決まったら、もう一度「リフレーム」をタップすると描き足しが始まります。終わったら右上のチェックをタップして完了です。途中で写真をタップすれば、直した写真と元の写真を見比べられます。保存したあとでも、同じ手順でリフレームを開いて「リセット」をタップすれば元に戻せるので、気軽に試せます。
昔の写真でもできる? どこまで動かせる?
空間リフレームは、iOS 27にアップデートする前に撮った写真にも、ほかのカメラで撮った写真にも使えます。カメラロールに眠っている何年も前の1枚も、対象に入ります。
動かせる幅には限りがあります。正面から撮った写真を真上から見下ろした写真に変えるような、極端な変更はできません。それでも、斜めを向いていた人を少し正面に向けたり、列車の写り方を変えたりするくらいなら、写真の印象はかなり変わるはずです。
写真アプリにはほかに何が増えたの?
同じタイミングで、写真アプリのAI編集はほかにも強化されました。クリーンアップツールは、込み入った場面でも不要なものをより自然に消せるようになっています。先ほどの編集部の試用では、中橋さんの後ろに立っていた別の編集部員を適当に丸で囲むとすぐに認識され、少し時間はかかったものの、人がいたとは思えない仕上がりになりました。
拡張ツールは、写真の外側を広げる道具です。被写体のまわりに余白を足したいとき、縦横の比率を変えたいとき、曲がった水平線をまっすぐにしたら端が切れてしまうときに使えます。試用では、電柱の先端や人の腕、背景の木まで自然に描き足されました。お気に入りの縦長の写真を壁紙にしたいときにも役立ちます。
さらに、写真のようにリアルな画像まで作れる新しいImage Playgroundも使えるようになりました。今後はSynthIDという仕組みに対応して、AIで作ったり編集したりした画像かどうかを見分けられるようになる予定です。
自分のiPhoneで使える? 何に気をつければいい?
iOS 27そのものは、2019年9月発売のiPhone 11以降に配信されています。ただ、空間リフレームを使えるのはそのうち一部の機種です。AppleのAI機能であるApple Intelligenceが動く機種が条件で、iPhoneならiPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、iPhone 16以降のモデルになります。iPhone 15やそれより前の機種では、iOS 27を入れても空間リフレームは使えません。同じAI機能は、対応するiPadやMac、Apple Vision Proでも使えます。
使うには、設定でApple Intelligenceをオンにしておきます。Siriと端末の言語が日本語なら対象で、日本を含めApple Intelligenceが提供されている国と地域すべてで使えます。
注意したいのはネット接続です。背景の描き足しをサーバー側で行うため、モバイル通信かWi-Fiにつながっていないと動きません。また、サーバーを使う写真編集には1日あたりの使用上限があり、処理の複雑さや混み具合によって上限が変わります。iCloudの一部の有料プランを契約していると上限がゆるくなり、枠を増やす有料オプションも今後提供される予定です。
とはいえ、ふだん使う分にはお金はかかりません。対象の機種なら、いつもの写真アプリを開くだけで試せます。
用語ミニ解説
- Apple Intelligence: iPhoneやMacに入っているAppleのAI機能の総称です。写真の編集や文章の手伝いなどをまとめてこう呼びます。
- WWDC: Appleが開く開発者向けのイベントです。2026年は6月に開かれ、秋に配信されるiOS 27の新しい機能が先に紹介されました。
- SynthID: AIで作ったり編集したりした画像かどうかを、あとから見分けられるようにする仕組みです。
Me-Moon編集後記 🌙
撮った瞬間に決まると思っていた構図が、あとから指1本で動かせるようになりました。シャッターを切ったあとも、写真はまだ少し直せるものになったのかもしれません。
カメラロールをさかのぼると、ちょっと角度が惜しかった1枚がきっと見つかります。撮り直せないとあきらめていたあの写真を、リフレームでもう一度開いてみたくなりますね🌙
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スマホで撮った写真をAIが読み取る、もうひとつの使い道がわかります。
参考リンク
- 次世代のApple Intelligenceが本日より利用可能に — Apple(日本)ニュースルーム
- iPhoneの写真で「リフレーム」を使う — Apple サポート(iPhoneユーザガイド)
- WWDC26で発表されたiOS 27の新機能 — ケータイ Watch
- iOS 27の提供開始 — ケータイ Watch
- iOS 27の写真アプリのAI編集を試す — ギズモード・ジャパン
- iOS 27の空間リフレームとは — マイナビニュース, 2026-09-18
- iOS 27で写真の構図をあとから変える方法 — マイナビニュース(iPhone基本の「き」)
