3行でわかるこの記事
- 何が起きた? 動画生成AI「Kling 4.0」の早期アクセスが始まり、1回で最長30秒の動画を作れるようになりました。
- 重要なポイント 最大10枚の画像で途中の場面を決められ、画像・動画・声など15項目までの素材を混ぜられて、解像度は4Kまで選べます。
- なぜ注目? 前の世代の2倍の長さを1回で作れるので、テレビのタイムCM1本分の動画を一続きで組み立てられるからです。
はじめに
「The stage is set. You call the shots!」。動画生成AIのKlingは、公式Xでの新しいモデルの発表をこの一言で結びました。日本語にすると「お膳立ては整った。監督するのはあなただ」という意味です。
実際、新しいモデルでは1回に作れる動画の長さが大きく伸びました。前の世代では最長15秒だったのが、今回は30秒まで作れます。
新しいモデルの名前は「Kling 4.0」です。いまは早期アクセスが始まっていて、10月にはもっと多くの人が使えるようになる予定です。30秒の中で話の流れをどこまで自分で決められるのか、先に出た高速版のFlashとは何が違うのか。順番に見ていきます。
ひとことで言うと
1回で作れる動画が30秒に伸び、途中の大事な場面を自分で用意した画像で決められるようになりました。
30秒って、これまでと比べてどれくらい長いの?
Kling 4.0は、1回の生成で3秒から30秒までの動画を作れます。前の世代のKling 3.0は上限が15秒だったので、1回で作れる長さはちょうど2倍になりました。
30秒がどれくらいかは、テレビCMと比べると分かりやすいです。日本のテレビCMでは、番組の合間に流れるスポットCMは15秒が基本の単位で、番組を提供する会社が流すタイムCMは30秒以上が原則です。つまりKling 3.0が1回で作れたのはスポットCM1本分で、Kling 4.0ならタイムCM1本分の長さを一度に作れることになります。
長くなったぶん、カメラを止めずに撮り続ける長回しや、1本の中で話が途切れずに進む動画も作れます。速く動く被写体や続けざまのアクション、被写体を追いかけるカメラ、周りをぐるりと回るカメラといった動きの激しい場面でも、映像はなめらかで安定したまま保たれます。
さらに、できた動画を何回か延ばして最大2分にする機能も、近日中に加わる予定です。2分は30秒の4本分なので、気持ちが少しずつ高まっていく場面や、いくつかのパートに分かれた話も入れやすくなります。
画像10枚で、何をどこまで決められるの?
30秒ぶんの展開を言葉の指示だけで思い通りにするのは、なかなか大変かもしれません。Kling 4.0では、動画の途中に置く「決めの一枚」を最大10枚まで渡せます。この1枚1枚をキーフレームと呼びます。
キーフレームで決められるのは、登場人物のポーズや表情、場面の切り替わり、話のテンポです。たとえば、人物が笑って振り向く瞬間や、場面が夜に変わる瞬間を画像で先に決めておけます。動画の最初と最後のコマを画像で指定することもできます。
できあがった動画の一部だけを直すこともできます。ほかの部分はそのままにして、人物の表情や体の動き、カメラの位置や動き、全体の雰囲気、背景などを狙って変えられます。気に入らないところが1か所だけなら、最初から作り直さずに済みます。
写真や動画や声は、1回にどれだけ混ぜられるの?
Kling 4.0には、手本にしたい素材をまとめて渡す「Omni Reference」という仕組みがあります。1回の生成で渡せるのは最大15項目で、画像・動画・登場人物を組み合わせられます。
内訳の上限は、画像が10枚、動画が5本、登場人物が7つです。動画は、登場人物用の動画も含めて合わせて30秒までです。登場人物は何枚かの画像や動画で見た目を決められ、その人物が話す声も指定できます。
音も良くなりました。高音質の音声と、左右から別々の音が出る2チャンネルのステレオに対応しています。声と口の動きを合わせるリップシンクも前より正確になり、セリフや演技が映像と自然にそろいます。
もう一つ、今ある動画を手本にして作り直すリメイク機能もあります。元の動画の話のテンポやカメラの構図、見せ方を参考にしながら、映っている商品や人物を別のものに入れ替えられます。SNSの広告や家電の紹介動画のような、お店や会社が使う動画づくりにも向いています。
先に出たFlash版と本体は何が違うの?
Kling 4.0には、高速版の「Kling 4.0 Flash」もあります。Flash版は本体より先に、2026年9月28日から年間契約のプラン「Ultra Yearly」の加入者に向けて提供が始まりました。
Flash版で作れるのは3秒から20秒の動画で、解像度は720pです。入力できるのは、文章での指示、動画の最初の1コマにする画像、そしてOmni Referenceの3つです。キーフレーム10枚や最初と最後のコマの指定は本体の仕様表に載っていて、Flash版の表には載っていません。
本体は最長30秒で、解像度は720p、1080p、4Kから選べます。1080pは一般にフルHDと呼ばれる細かさで、4Kはその縦と横がそれぞれ2倍です。画面の点の数で比べると、4KはFlash版の720pの9倍になります。
色の出し方にも差があります。Flash版の出力は、8-bit SDRという一般的な色の幅です。Kling 4.0では、4Kと1080pで10-bit HDRの出力が近日中に始まる予定です。HDRは明るいところから暗いところまでの色の段階が多い形式で、色が豊かになり、光と影の移り変わりもなめらかになります。短くすぐ試せるのがFlash版、長く細かく作り込めるのが本体と考えると分かりやすいかもしれません。
いつから使えて、使いこなすのは難しくないの?
本体のKling 4.0は、いま早期アクセスの段階で、10月にもっと広く使えるようになる予定です。10月の何日から始まるのか、本体の料金はいくらかは、まだ発表されていません。ほかのサービスに組み込んで使うときの料金も、同じく未公表です。
使い方の面では、始めたばかりの人にもうれしい工夫があります。指示は短い文章から始めても大丈夫で、Kling 4.0が監督のような目で指示をふくらませ、整えてくれます。細かく書き込みたい人は、最大8,000トークンまで書けます。トークンは、AIが文章を区切って数えるときの単位です。
言葉は日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語、フランス語、ヒンディー語などに対応しています。動画の中に、いくつもの言語の文字や絵文字、ロゴを描くこともできます。
作業する画面も新しくなりました。これまで道具のバーにばらばらに並んでいた入力の項目が1つの入力欄にまとまり、作品の一覧はマス目状と縦並びを切り替えて見られます。時間の流れにそって素材を並べるタイムラインの上で、見る・直す・素材を足すまでを作業を止めずに進められます。部品を自由につないで作業を組み立てるキャンバス機能も加わり、アシスタントに頼めば道具の操作や作業を代わりに進めてもらえます。
用語ミニ解説
- キーフレーム: 動画の流れの中で、ポーズや場面の切り替わりの目印になる大事な1コマのことです。
- Omni Reference: Kling 4.0で、画像・動画・登場人物などの手本の素材を1回の生成にまとめて渡す仕組みの名前です。
- リップシンク: 画面の人物の口の動きと、声やセリフのタイミングを合わせることです。
Me-Moon編集後記 🌙
Kling 3.0でスポットCM1本分だった長さが、Kling 4.0ではタイムCM1本分になりました。10枚の画像で流れを決められるなら、絵コンテを描くのと同じ感覚で動画の筋を組み立てられるかもしれません。
公式の結びの言葉は「監督するのはあなただ」でした。10月に広く使えるようになったら、自分ならどの10枚で30秒の話を作るか、考えてみたくなりますね🌙
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動画だけでなく、画像を作るAIが身近な端末でどこまで進んでいるかも知りたい人に向けて。
参考リンク
- Kling 4.0: Kling Visual Realism, Creative Control & Introducing Storytelling — Kling AI Blog
- The stage is set. You call the shots! — Kling AI Official X
- Kling 4.0解説 — innovatopia
