3行でわかるこの記事
- 何が起きた? 9月19日・20日にお台場で開かれるULTRA JAPAN 2026の公式チケット販売チャネルの一つに、NFTチケットの「TicketMe」が加わりました。
- 重要なポイント 入場する前は次の人へ正規に回せて、入場した瞬間に転送できなくなります。
- なぜ注目? 使い終われば消えるはずのチケットが、その日そこにいたという記録として手元に残るからです。
はじめに
「行けなくなったら、あの30,000円はどうなるんだろう。」
カレンダーの9月19日に丸をつけて、決済ボタンの前で指が止まる。その日はまだ先です。自分が元気でいるか、仕事がどうなっているかは、今はまだ誰にもわかりません。
その指の止まり方を少し変えるかもしれない選択肢が、今年のULTRA JAPANのチケットに加わりました。会場のゲートを通った瞬間、その一枚は別のものに変わります。
この記事では、こんなことをお伝えします。
- NFTチケットは、いつものスマホのチケットと何が違う?
- 入場した瞬間、その一枚に何が起きる?
- 値段はいくらで、買うのに特別な準備は要る?
難しそうに見えるかもしれませんが、やさしくお伝えしますね。
ひとことで言うと
ULTRA JAPAN 2026の公式チケットに加わったNFTチケットには「人に渡していい」と「人に渡せない」の二つの状態があり、入場をきっかけに後ろ側へ切り替わります。ここからは、その切り替えが何を守ってくれるのかを順番に見ていきましょう。
そもそも、NFTチケットは普通のスマホチケットと何が違う?
いつも使っている電子チケットは、主催者のアプリの中に置かれた入場の権利です。画面を見せれば会場に入れますが、その一枚は最後まで運営側の管理の中にあります。行けなくなったときにどうするかも、そのアプリが用意した機能の範囲でしか決められません。
NFTチケットは、ブロックチェーンという共有の台帳に「この一枚は今この人のもの」と記録されます。持ち主の欄が書き換われば、それがそのまま持ち主の交代になります。誰が持っていたかの記録は残り、あとから静かに消したり書き足したりはできません。運営の画面の中の数字ではなく、自分の手に持てるものに近づく、と考えるとわかりやすいと思います。
違いは大きく二つです。一つは、自分のものとして人に渡せること。もう一つは、会場に入った後はその受け渡しができなくなることです。
このチケットを発行しているのは、株式会社チケミーの「TicketMe」です。2023年10月2日の発表では、その時点までに400以上の事業者へ導入されたと説明されていました。チケミーの発表によると、ULTRA JAPAN 2026ではこの仕組みが公式チケット販売チャネルの一つとして入りました。
行けなくなった日、そのチケットは次の人に回せる
3万円を先に払うのが怖い一番の理由は、当日の自分の予定を今はまだ決められないことだと思います。急な仕事が入るかもしれませんし、前の晩に熱を出すかもしれません。
NFTチケットは、イベントに入場する前であれば健全な二次流通ができるとチケミーは説明しています。行けなくなったチケットを、行きたい誰かへ正規の形で渡せるということです。会場に入るまでは、その一枚はまだ誰のものにもなりきっていません。
さらに、TicketMeの利用者どうしで売り買いされたチケットの売上の一部は、一次販売者に還元されます。売買を締め出すのではなく、動いた分だけ主催者側にも戻る形にすることで、悪質な転売を防止できるとしています。行けなくなった側から見ても、譲る側から見ても、非公式なやりとりに頼らなくて済む道が最初から用意されているわけです。
入場した瞬間、そのチケットは売れなくなる
イベントに入場した後、そのチケットは個人のアカウントと紐づき、転送ができなくなります。ゲートを通る前は次の人へ回せた同じ一枚が、通った後は誰にも譲れない一枚になるわけです。
仕掛けの正体は、二つの状態です。チケミーは、特定のNFTチケットの「転送許可」の状態と「転送不許可」の状態を切り替える技術で特許を取得したと2023年10月2日に発表しました。チケットは最初から二つの状態を持っていて、入場という出来事をきっかけに片方からもう片方へ倒れます。性質が魔法で生まれ変わるのではなく、あらかじめ用意された切り替えが起きるだけ、ということです。
紙のチケットでは、ここまでは無理です。もぎった半券を誰の手にも渡らないようにするには、見張り続けるしかありません。持ち主の欄が台帳に書かれているデジタルのチケットだからこそ、その欄を凍らせるという解き方ができます。
役目が入れ替わる、というのはこういう意味です。入場前の一枚は「まだ誰のものにもなっていない権利」で、入場後の一枚は「その人がそこにいたという証明」になります。転売できないことが、ここでは不便ではなく証明の強さのほうに働きます。人に渡せないからこそ、持っている人が本当に会場にいた人だと言えるからです。
値段と買い方。特別な準備は要りますか?
チケットの種類と値段は発表されています。一般のGAが2日券30,000円・1日券16,000円、専用エリアや専用トイレ、専用リストバンドが使えるPGAが2日券46,000円・1日券24,000円、18歳から22歳が対象のU-23が2日券15,000円です。同じ2日間を過ごすのに3種類の入り口があり、年齢が当てはまるならU-23が半額に近い値段になります。
買い方について、チケミーは従来の電子チケットと同じ購入プロセスで購入ができると説明しています。暗号資産の口座を先に開いたり、専用の財布アプリを準備したりする話は出てきません。ブロックチェーンという言葉が付くと身構えてしまいますが、仕組みが新しいだけで、買う人の手順は増えていません。
当日は開場10時、開演11時、終演21時の予定です。会場は江東区青海のお台場ULTRA PARK特設会場で、9月19日(土)と20日(日)の2日間。出演にはZedd、Alesso、Peggy Gou、Afrojack、Alan Walkerらが名を連ねています。
手元に残るのは、その日そこにいたという記録
フェスが終わって家に帰ると、残るのはリストバンドと写真フォルダくらいです。チケットは役目を終えて、アプリの履歴の奥に沈んでいきます。翌年に同じフェスの発表を見て、去年も行ったなと思い出すときの手がかりは、たいてい写真の日付です。
NFTチケットの場合、入場後の一枚はアートワークを備えたデジタルコレクションとして長期的に保存でき、フェス参加の思い出が資産として残るとチケミーは説明しています。転送できなくなった一枚が、そのまま参加証明として働くわけです。何年か経って開いたときに出てくるのは、使い終わったチケットの残骸ではなく、2026年9月19日にお台場にいた自分の記録になります。
決済ボタンが少し軽くなるとしたら、値引きされたからではありません。行けなかった日には次の人へ回せて、行けた日には記録が残る。払ったお金の行き先が両側からふさがれているという、その安心のほうです。カレンダーの丸が、覚悟の印から楽しみの印に変わるかもしれません。
用語ミニ解説
- NFTチケット: ブロックチェーンに持ち主の記録を残すデジタルのチケット。持ち主の欄を書き換えることで、正規の形で人から人へ渡せます。
- ブロックチェーン: 取引の記録をみんなで同じ内容で持ち合う台帳。あとから一部の人だけで書き換えられない仕組みになっています。
- 二次流通: 一度買われたチケットや商品が、買った人から別の人へ渡ること。転売と呼ばれる取引もここに含まれます。
- 参加証明(SBT): 他人へ譲れない形で持ち主に結びつくデジタルの記録。入場後のチケットはコレクションになり、そのイベントへ参加した証明書としての機能も果たせるとチケミーは説明しています。
- TicketMe: 株式会社チケミーが提供するNFTチケットのサービス。ULTRA JAPAN 2026の公式チケット販売チャネルの一つになりました。
Me-Moon編集後記 🌙
チケットは使ったら消えるもの、という思い込みがひとつ外れました。入場のゲートが、権利を証明に変える境目になっているのが面白いです。
行けなくなる不安と、行った日を残したい気持ち。その両方を一枚で引き受けてくれるなら、大きな予定にも手が伸びやすくなりますね🌙
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参考リンク
- NFTチケット「TicketMe」が日本最大級の都市型ダンスミュージックフェスティバル「ULTRA JAPAN 2026」のチケットを販売開始 — PR TIMES, 2026-07-22
- NFTチケット「TicketMe」が「ULTRA JAPAN 2026」のチケットを販売開始 — MANTANWEB, 2026-07-22
- 株式会社チケミー | NFTチケットの転売の制御に係る技術で特許を取得しました。 — PR TIMES, 2023-10-02
- チケミー、NFTチケット転売の制御技術で特許取得 — あたらしい経済, 2023-10-03
- ULTRA JAPAN 2026 公式サイト — ULTRA JAPAN, 2026-08-04
