3行でわかるこの記事
- 何が起きた? Googleが9月21日に、AIのGeminiが最初から動く新しいノートパソコン「Googlebook」を発表しました。画面のポインターを軽く動かすだけで、その場でGeminiが立ち上がります。
- 重要なポイント 値段は899ドルからで、第1弾は主要パソコンメーカー5社から出ます。米国では10月4日に店頭に並びます。
- なぜ注目? 手持ちのAndroidスマホとつながり、スマホで途中まで進めたことをノートパソコン側でそのまま続けられます。ただし日本での発売は、今のところ明らかにされていません。
はじめに
自分のリビングを撮った写真と、気になっている新しいソファの写真。この2枚をパソコンの画面で選ぶと、そのソファを自分の部屋に置いた姿がその場で見えます。買う前にいちばん知りたいことが、写真を2枚選ぶだけで分かります。
同じやり方で、メールの中に書かれた日付を指せば、その日のミーティングが立ちます。カレンダーを開き直す必要はありません。
これができるのは、Googleが9月21日(現地時間)に発表した新しいノートパソコンのプラットフォーム「Googlebook」です。ポインターを動かすだけというのは、実際どこまでのことなのか。そして日本にいる私たちは、いつ買えるのか。
ひとことで言うと
Googlebookは、AIのGeminiが最初から入っていて、手持ちのAndroidスマホともつながる新しいノートパソコンです。画面の上で「これ何?」と聞きたくなったものを、その場で選んで聞けます。
ポインターを軽く動かすと、実際に何ができるの?
この仕組みの名前は「Magic Pointer」です。ポインターを軽く動かすだけでGeminiが起動して、画面に映っているものなら何でも選んで、質問したり、2つを比べたり、そこから何かを作ってもらったりできます。Googleは公式サイトで、ポインターはもう魔法の杖だと言い切っています。
ポインターは今までもずっと動かしてきたものなので、手の動きはほとんど変わりません。作ったのはGoogle DeepMindのチームと一緒で、Geminiの助けを文字どおり指先まで持ってきた機能です。
使い道は買い物の相談だけではありません。予定が詰まって散らかったカレンダーを整理してもらうことも、目の前にある文章を訳してもらうことも、その場で頼めます。別のウィンドウに切り替えなくていいので、今やっていたことを中断しなくて済みます。
もっと直接調べたいときのために、キーボードには専用の「Gキー」も置かれています。ワンタッチで検索できるので、答えはいつも手元にあります。
ポインター以外にも、言葉で頼める場面はあるの?
あります。Googlebookのキーボードには音声入力のキーが物理的に付いていて、押して話すだけで「Rambler」という機能が動きます。話すときにどうしても混ざる「えーっと」のようなつなぎ言葉を消して、書式まで整えてくれる機能です。
やってくれるのは文字起こしだけではありません。話した内容を見出しやチェックリスト、まとめの形に組み直すので、思いついた順にしゃべった言葉が、そのまま人に見せられる形になります。複数の言語に対応していて、文の途中で言語が切り替わってもついてきます。
言葉で頼めるのは文章だけではありません。「Create My Widget」を使うと、欲しいものを普通の言葉で説明するだけで、デスクトップに置く小さな表示を作ってくれます。ベルリンでの家族の集まりを計画しているなら、航空券とホテルの情報、レストランの予約、集まりまでのカウントダウンが、デスクトップの一か所にまとまります。好きなスポーツチームのスコアを出すものや、家族旅行までのカウントダウンも作れます。
頼んだ仕事が重いときのために、「Gemini Spark」という仕組みもあります。ノートパソコンを閉じている間も、複雑な依頼をバックグラウンドで進めてくれます。
スマホでやりかけたことを、ノートPCでそのまま続けられるの?
続けられます。「Continue On」は、スマホで進めていた作業をノートパソコンのタスクバーから続ける機能です。通勤中にスマホの音楽制作アプリで作り始めた曲を、Googlebookを開いてタスクバーからそのまま続ける。そんな使い方が例に挙がっています。
ファイルのやり取りも変わります。「Quick Access」を使うと、スマホの中にあるファイルや写真を、送ったり自分あてにメールしたりせずにノートパソコンから開けます。ダウンロードフォルダを探し回る時間がそのまま消えます。
スマホのアプリそのものを呼び出すこともできます。「Cast My Apps」は、スマホのアプリをノートパソコンのウィンドウに映して、そのまま操作できる機能です。作業中にお腹が空いたらデリバリーアプリで注文だけ済ませて戻る、メッセージに届いたワンタイムコードをその場で確認する、毎日のDuolingoのレッスンの通知が来たら画面を離れずに終わらせる。どれも今までなら、スマホを手に取ってやっていた用事です。
つなぐにはセットアップが必要で、手元のスマホがAndroid 17以上であることが条件です。最初にログインすると、スマホの設定や保存済みのパスワード、Wi-Fiの情報、メッセージがそのまま移ってきます。運ぶ途中は暗号化されていて、第三者に読まれない形で守られます。
中身はChromebookとどう違うの?
Googleは15年以上前にChromebookを出しました。インターネット上のサービスを使うことを中心に据えたパソコンでした。今度はAIが中心になる時代に合わせて、ノートパソコンをもう一度考え直したのがGooglebookです。
中身は、Androidの技術を土台にして、ChromeOSのデスクトップ向けの基盤を組み合わせたものです。動かしているソフトの名前は「Googlebook OS」で、これまでAluminium OSなどとも呼ばれていたものが、今回の発表でこの名前に決まりました。
うれしいのは、1台の中でできることの幅です。Google PlayのAndroidアプリも、パソコンらしいウィンドウの使い方も、拡張機能が入るデスクトップ版のChromeも、本格的なLinuxの環境も、同じ基盤の上で動きます。
そのLinux環境は、ノートパソコンとしては初めてLevel 5と呼ばれるセキュリティ認証を受けた土台の上で、本体から隔離して動きます。プログラムを書く人向けには、AIエージェントを作るための「Antigravity」も付いてきます。
見た目にも目印があります。外側には「Glowbar」という光るバーがあって、これがあればGooglebookだと分かります。起動すると光り、バッテリーの残りを示すように横に流れ、Geminiに話しかけると遊び心のある動きで反応します。
日本ではいつ、いくらで買えるの?
値段は899ドルからです。この価格でも素材はアルミやマグネシウム合金、カーボンファイバーが使われ、AI処理専用の回路は45 TOPS超、バッテリーは最大14時間もちます。画面はタッチに対応し、トラックパッドはガラス製で押した感触が返り、キーボードにはバックライトが付きます。
第1弾のハードは、Acer、ASUS、Dell(XPS)、HP、Lenovoという主要メーカー5社から各1モデルずつ、一斉に出ます。たとえばAcerの「Googlebook 14」は画面が360度回ってタブレットのようにも使える2-in-1で、14インチの2.8K有機ELのタッチ画面を積みます。中の処理装置はIntelのCore Ultraか、Qualcommの「Snapdragon X Elite」のどちらかです。
さらに、買うと「Google AI Pro」が12カ月分付いてきます。5TBのクラウド保存が使えるもので、ほかにYouTube Premiumの3カ月分なども含めて、アプリの特典は最大300ドル以上相当になります。899ドルという数字だけを見るより、実際の負担は軽く感じられるかもしれません。
そして肝心の発売です。米国をはじめとする一部の市場では、発表と同じ9月21日から予約が始まり、10月に発売されます。予約は米国のGoogleストアやBest Buy、各メーカーの公式ストアなどで受け付けています。店頭に並ぶのは米国が10月4日、カナダ、英国、アイルランド、フランス、ドイツ、オーストラリアが10月5日です。
この一覧に日本は入っていません。日本での展開は明らかにされておらず、いまのところ販売のアナウンスもありません。すぐに家電量販店で触れるものではない、というのが今の答えです。日本の話が出てくるかどうか、続報を待つことになります。
ずっとAIに画面を見られている感じにならない?
ここはGoogleがはっきり書いています。Geminiは頼んだときだけ動き、使いたくなければいつでもオフにできます。勝手に動き出す作りではありません。
守りの部分も一台ずつ用意されています。本体には「Google Titan C2」というセキュリティ専用のチップが入っていて、多くの機種で顔や指紋による本人確認が使えます。
買ったあとの面倒も少なめです。Googlebook OSの更新は3カ月に1度届き、安全のための修正と新しい機能がまとめて入ります。しかもその期間は最大10年です。ノートパソコンを5年、6年と使う人は珍しくないので、買った機械が途中で置いていかれにくいのは安心材料かもしれません。
用語ミニ解説
- Gemini: Googleが作っているAI。質問に答えたり、文章や画像を作ったりします。
- Magic Pointer: ポインターを軽く動かすとGeminiが立ち上がり、画面上のものを選んで質問や比較を頼める機能です。
- TOPS: AIの計算を1秒間に何兆回できるかを表す単位。数字が大きいほど、AIの処理を本体の中で速くこなせます。
Me-Moon編集後記 🌙
パソコンの前にいる時間のうち、ポインターを動かしている時間はかなり長いはずです。そこにGeminiが乗ってくるなら、新しいボタンを覚えるより先に手が慣れるかもしれません。
日本での発売の話が出てきたら、まずはリビングの写真とソファの写真で試してみたいですね🌙
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あわせて読みたい
Googleが同じように「持っている機械のまま使えるAI」を広げている例で、こちらは日本でもう試せます。
AIが入った機械を選ぶときに何を見ればいいのか、値段の幅つきで整理しています。
参考リンク
- Googlebook(公式サイト) — Google, 2026-09-21
- Introducing Googlebook, designed for Gemini Intelligence — Google公式ブログ, 2026-09-21
- Googlebook is here and ready for pre-order — Google公式ブログ, 2026-09-21
- グーグル、Gemini搭載の新ノートPCプラットフォーム「Googlebook」を発表 — ケータイ Watch
- Googlebook OSのデザインとAndroid連携 — HelenTech
